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青の炎のmのレビュー・感想・評価

青の炎(2003年製作の映画)
3.8
三雰囲気が好き。00年前後の邦画はどれもいい。作品のところどころに登場する青の世界が美しかった。画の湿度を感じるってこういうことかと思う。秀一の抑揚だったり、ふとした言い回しに蜷川さんの演出を感じる。水槽から出ようにも出られない、生きていけない苦しさを、過度に抽象的でも直接的でもなく、もっと現実的なゆったりとした空気感のなかで表現しているのがよかった。未成年の幼い暴力性だったり、すべてを諦めたかのような覇気のなさは若者たちの心情を投影したようで、恐ろしさを感じるほどの重みがある。蜷川さんがニノのことを「必死に立ち向かうやせこけた野良犬のよう」と評価していたけど、なんだろう、その時代に生きていないから神格化しすぎているのかもしれないけど、当時から演技においてこれほどのポテンシャルを発揮できた人がいたにも関わらず、これジャニーズの人がやるのー?って嫌がられるようになったのっていつからなんだろうなと思った。事務所はちゃんと演技が出来る人を見極めて、安売りなんかしないでほしい。ファンとしてもずっと愛される作品に出てほしいだろうし。
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