松原慶太

鴛鴦歌合戦の松原慶太のレビュー・感想・評価

鴛鴦歌合戦(1939年製作の映画)
3.6
昭和14(1939)年製作の和風オペレッタ時代劇(オペレッタというのは喜劇ベースのオペラのことを言うらしい)。

なんだそりゃと思うかもしれないが、見始めるとすぐ意味がわかる。そうか...これがかの有名な「鴛鴦(おしどり)歌合戦か」と思いながら鑑賞(1980年代以降のマキノ雅弘再評価の中で、名前だけは知っていた)。

いまみてめちゃくちゃ面白いかどうかは保証できかねるが、たしかに、製作年度を考えると、おそろしくモダンでポップで、突き抜けた明るさがある。

ただ、これが「ジャズ」なのかと言われると、どうも僕の知ってるジャズじゃないんだけど、なんとなくジャズふうの音曲と、謡の「あいのこ」みたいな印象を受けた。

この映画、片岡千恵蔵(男前だが顔がデカい)と市川春代が主演なのだが、むしろ、脇役のディック・ミネとか服部富子のほうがいまふうで面白い。

ディック・ミネが「ぼくはおしゃれな殿様〜」などと歌いながら、満面の笑みで街なかを家来引き連れて活歩しているシーンなどめちゃくちゃ面白い。いわゆる「バカ殿」の役柄なのだが、育ちが良い感じで憎めない。

(ディック・ミネは本職の歌手で、芸能界一のプレイボーイだったらしいが、その片鱗がうかがえる)
松原慶太

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