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鴛鴦歌合戦のろくのレビュー・感想・評価

鴛鴦歌合戦(1939年製作の映画)
3.9
今年も終わりですね(そうですね)。

というわけで「歌合戦」です(紅白ではなくこっちを見る)。実は前から見よう見よう思ってまだ観てない作品だったんですけど、まず驚いたのは「しっかりミュージカル」じゃないですか。これ1939年の作品ですよ。もうすっかり第二次世界大戦始まっているころ。そんな時代にこんなウルトラハッピーな作品撮っていたんだとまず吃驚(歴史の知識はどうも穿った先入観ばかり与えてくれます)。

中身はスカスカですけど、みんなとにかく歌う歌う歌う。もう幸せでしょうがないってくらい歌いまくり踊りまくり。さらに最後の片岡千恵蔵のアクションはフィルムスピードを上げているのかテンポよく楽しいの(ジャッキーの格闘シーンを見るよう)。

そして出てくる女子もあまり湿っぽくない。湿っぽいなぁと思ったらすぐ楽しく歌いまくる。それだけで「映画としての幸せ」を感じてしまっています。そもそも日本人は湿っぽいって感じなのは意外と戦後に作られた「感覚」なのかもしれないなと思って見てました。

最後の全員集合も大好き。ああ幸せだなぁ。ミュージカルはこうでないと。オペレッタはこうでないと。そう、「映画を見るだけで幸せ」なんですよ。時代的に暗い時代だからこそ「せめて映画だけは」という感じなのかしらんと思って見ていました。

俳優としては片岡千恵蔵よりも志村喬の飄々とした演技に惹かれてしまった。「いきる」のときの思い演技もありだけど、僕はこっちの演技のが好き。みた感じもケンドーコバヤシみたいでB級感あるのも楽しい(すいません、B好きです)。さらにディックミネ演じる殿さまの薄っぺらさも大好き。全体的に薄っぺらいんだけど、いいんだよ、ミュージカルなんだからという気持ちで観ていました。

というわけで2023年もこれでおしまい。また来年もずずずずいっとよろしくお願いいたします。そ・れ・で・は♪お別れしまーす♪さよなら♪さよなら♪(ヒップアップ追悼)。
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