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小さな火の歴史/くすぶりの年代の記録のrebのレビュー・感想・評価

3.1
植民地としてフランスの支配に苦しみ、1954年の独立戦争勃発までのアルジェリアの苦難の歴史を、名もなき農民の目を通して描いた本作。
アルジェリア民族解放戦線のメンバーでもあったという監督。
干ばつや伝染病で家族や友人を失い、フランス軍として徴兵され、ひとり帰ってきた男は失意の中、武装蜂起を決意する。
カンヌパルムドール受賞作の中で最も観られていない作品とも言われる本作の、日本国内劇場初上映。
何しろ178分と長すぎるし、壮大な歴史ドラマしては描き方は淡々としすぎていて、お世辞にも面白いとは言えない。
しかし130年にも及ぶ植民地支配に苦しむアルジェリアの人々を描いた、知られざる大作を体験できて良かった。
ちなみに本作がパルムドールを受賞した第28回カンヌでは、私の大好きな寺山修司の「田園に死す」が本作とコンペを競っておりました。
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