春とヒコーキ土岡哲朗

親切なクムジャさんの春とヒコーキ土岡哲朗のネタバレレビュー・内容・結末

親切なクムジャさん(2005年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

……つらい。
他の囚人たちが、クムジャへの恩をフラッシュバックしていく手法が面白かった。正直、キャラクターの多さで途中で誰が誰だか話も理解しづらくなったが、子供を殺された親たちを集めて復讐を始めるところからはまた集中力が戻って来る。
やはり、犯人に自分で手を下したいという気持ちが出てくるのだろう。でも、子供は戻ってこないという、常套句ではあるが拭えない悲しみに、結局また打ちひしがれる。クムジャ自身、復讐を終わらせたからこそ、失ったものはどうやっても取り戻せないという事実に直面し涙を流した。それは、鬼になったつもりでも捨てられない人間の弱い心があるから。復讐の空しさを知らしめる映画。