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親切なクムジャさんのmのレビュー・感想・評価

親切なクムジャさん(2005年製作の映画)
4.8
絵がめちゃくちゃ好きだった。音楽も。映画始まって一分しないうちに、観てよかったが確定した。ストーリーは、いわずもがな。
幻でさえも救ってくれない魂に、もうどうしようもなくて、泣いた。自分を愛してくれる娘の存在に、少しでも安らいでくれたら……。
しかし、何をもってしても取り返しのつかないものがあるという現実が、ふとしたときに、あるいは常に、つきつけてくるのかもしれないのが、ほんとうに辛い。

補足メモ
毎日考えていると、復讐には、果たしてすっきりするタイプと、しないタイプがいるのかもしれないと思いついて、クムジャさんは後者なのだろうな……というのにも気づいた。ケーキを食べ終わったその他遺族たちの方が案外すっきりというかあっけらかんとしている……風に私には見えたし。親切なクムジャさんって、結構的を得ているタイトルな気がしてきた。というのも、遺族を巻き込んだ(という言い方をあえてする)のも、クムジャさんのやさしさによる葛藤の末なのでは?復讐鬼になりきれないので何度も躊躇して……やさしさと弱さはときにイコールになるだろうから。あと、ケーキのシーンほんとうに大好き。狂おしいほどに好き。娘だけが光。
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