kanaco

親切なクムジャさんのkanacoのレビュー・感想・評価

親切なクムジャさん(2005年製作の映画)
3.5
パク・チャヌク監督の復讐三部作ラスト。無実の罪で投獄されるも、模範囚と評価され周りから親しまれる美しき女囚人〈親切なクムジャさん〉が出所後に仕掛ける冷酷な復讐劇とは…。清廉で親しみやすいイメージを払拭するようなイ・ヨンエの演技力が印象的!ただ少しテンポが遅めかなぁとは思ったかも🤔💦(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
韓国。雪が降る冬のある日、13年の刑期を終えた美しい女クムジャは出所した。罪は幼児の誘拐と殺人。しかしそれは濡れ衣であり、クムジャは13年間ずっと真犯人への復讐の炎を燃やしていた。服役中は、彼女に助けられた仲間たちから「親切なクムジャさん」と呼ばれるほどの模範囚で人望が厚かったクムジャ。しかしその頃から着々と復讐の仕込みを行っていく。出所し復讐開始の決意を込め深紅のアイシャドウをメイクしたクムジャは、かつての服役仲間や支援者の協力を得て真犯人を追い詰めついに捉える。そして…彼女の復讐方法とは…。

❶パク・チャヌク監督の復讐三部作ラスト。美しき女〈親切なクムジャさん〉の残酷な復讐劇

パク・チャヌク監督による復讐3部作の最終作。3部作だと私は『オールドボーイ』のみ鑑賞済です😀

ウォンモ君誘拐・殺人事件の犯人として20歳頃に逮捕された、若く美しい娘・クムジャ。しかしそれは濡れ衣であり、クムジャは真犯人に対して復讐を固く誓っていました。13年という服役の期間、服役仲間に優しく接し、困っている人には献身的に尽くします。彼女は模範囚と評価され誰からも慕われて〈親切なクムジャさん〉と呼ばれるようになります。しかし一方で、クムジャはこうも呼ばれます。彼女は〈魔女〉であると。そんな二面性を持つ女が、真犯人に対してどのような冷酷な復讐を遂げるのか…というのを描く物語です。

主人公の容姿が清楚系の美しい女性のためか、他の犯罪映画に比べると爽やか…とまでは言いませんがまろやかさが“まだ”ある気がします。しかしテーマはもちろん復讐ですし犯罪色が濃く、暴力や性描写もバッチリあるので、過激な内容となっています🤗

❷清廉なイメージがあるイ・ヨンエが演じる美しくも冷酷な闇を纏う女・クムジャ

見どころとしては、イ・ヨンエが演じた、美しく可憐、それでいて冷酷な復讐者であるクムジャさんのキャラクターと、そんな彼女が選んだ復讐方法がどういうものか…というところかと🤔

私の中ではイ・ヨンエと言えばNHKで放送されていた『宮廷女官チャングムの誓い』の主人公チャングム😁✨16世紀初頭の朝鮮王朝時代の宮廷を舞台に繰り広げられる歴史ドラマで、女官となって宮廷料理人となり、しかし権力争いを通し策略に嵌まって一度は奴婢へと身分を落とされ、それでもなお医女となって宮廷に復帰し、最高尚宮をGETして、さらには国王の主治医にまで上り詰めるという、とんでもなく波乱万丈な女性のサクセスストーリーです。

チャングムはキングダムハーツで言えば(どうしてキングダムハーツで例えた🙄❓)完全に光側の人間で、主人公然として正義感が強く頑固、あらゆる困難に真っすぐ突き進むので敵も多いですが自然と周りからの助けの手も伸びてくる、カラリと笑うような陽の女。比べてクムジャさんはそのイメージを払拭するような闇側に染まっており、清楚なフリして官能的な面も秘め、心に黒いものを抱え込み、協力者は自らの意思で巧妙に取り込んで決して逃がさず逆らわせない、そんな魔女のようなミステリアスな女です。顔立ちは同じだし人望は双方集まっているのも同じなのに、印象はガラリと違って良い感じ😀✨

また、クムジャさんの白い肌とまっ黒な髪は〈復讐の戦闘メイク〉である紅いアイシャドウが凛と映えるし、着こなしたロイヤルブルーのロングコートもとても似合っています🤭1回だけ出てきたシンプルなレッドドレスも素敵でした。舞台も冬景色ですし、ビビットなウィンターカラーの鮮やかさによって、衣装がクール💕

女性が主人公であることが関与しているかは分かりませんが、この映画のカラーはピンクやクリーム色などの可愛らしい暖色もけっこう印象的で、実写ですがアニメっぽさを感じる配色。ストーリーの残虐性に対して柔らかさや可愛さ、POPさを演出しているように感じました。

そんな彼女の復讐方法は…伏せますが、まぁ、そうねぇ~あるよねぇ~😑って感じです(どんなだ)。確かにある面では彼女は一貫して〈親切なクムジャさん〉かもしれません😀👍✨

❸なんか…テンポが“かったるいかも…”とも思いました(辛口注意)

クムジャさんのキャラクターも復讐方法も良いかと思いますし、つまらないとまでは思わなかったのですが、正直ずっと鑑賞して思っていたことは「なーんか、かったるいな…🙄」でした。事の進みもクムジャさんの態度も妙にテンポが遅いように感じて…🤔難しい話じゃないのに“やや”のんびり進むのと、新しい展開が急にポッと出するので、時々「あれ?これどういうことだったのだっけ?」と迷子になることもありました。そもそもあのタイミングで娘に会いに行くかしら??

13年も復讐を練っているので、イメージではクムジャが自分の行いを分かっていて華麗・冷酷・非道を貫いて清々しいまでの魔女ぶりを発揮し、そして復讐を遂げた後に悲哀と共に人間に戻るのかと思ったのですが、中盤からすでに妙にクヨクヨ(?)していて私が思っているよりは「彼女には心残りがあった」のだなぁ~と思いました。

🎂🐝「韓国らしい鮮烈なシーンもいくつかあって、残酷な復讐方法よりも〈男×犬〉〈ある女服役者の光悦〉そして〈復讐を遂げた後のクムジャさんの何とも表現できない複雑な表情〉の方が「ひぇ~」ってなりました~。特に3つめのイ・ヨンエさんの表現力は「おおー」って感じで良かったです。演技力!!😆🙌✨」
kanaco

kanaco