傷痕アイランド

親切なクムジャさんの傷痕アイランドのネタバレレビュー・内容・結末

親切なクムジャさん(2005年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

誘拐殺人の罪で13年間服役していた主人公は出所後、真犯人への復讐を始める

服役中から仕込んでいた復讐の準備
出所後即行動を開始して人員や道具や状況を揃えて行く下りはとてもワクワクした
協力者は乗り気でない人も一蓮托生の人もいるし、軽い協力からそんなことまで?!というほぼ共犯まで様々
主人公の復讐の理由も徐々に明らかになり真犯人を追い詰めて行く様に気持ちが高揚したのだけれど被害者の映像が流れる場面で一気に落ち込んだ

情報として「殺された人がいる」と知っているだけとは違って、実際にその人の最期の様子を目にするとその人が今まで生きてきた時間や奪われた人生、遺族の苦痛が生々しく迫ってきた
被害者の痛ましさとは対照的に真犯人の犯行動機がかなりどうでもいいのがやるせない

復讐を果たしても殺された人は帰ってこないし主人公の13年も戻らない
全然すっきりしない
かと言って復讐せずに真犯人を法で裁いても気が安らぐはずもない
復讐は上手くいこうがいくまいがせざるを得なくなった時点でもう終わりなんだと思った

15年振りくらいに鑑賞したけどやっぱりすごく面白い
歳を取って戻らない時間の重さが実感できるようになって前よりもっと面白く感じるようになった
また15年後に観たら感想が変わるのかもしれない
たった2時間弱で一生味わい続けられるなんてお得過ぎる