バナバナ

マイ・バック・ページのバナバナのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・バック・ページ(2011年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

梅山の方は観客に対して最初から、こいつは胡散臭い奴である、という事を提示している。
研究会で、ちょっとでも突っ込まれると、
「この研究会は俺が作ったんだぞ。辞めたい奴は勝手に辞めろ!」と逆切れし、
例の事件の時も、子分たちにやらせて、自分は女子達と喫茶店で待っているし、
案の定、捕まった後も、
「俺は殺せなんて言ってない。あいつらが勝手にやっただけ」と、言い放つ。
自己顕示欲が強いだけの、とことん嫌な野郎である。

分からないのは、記者の沢田の方。
梅山がやった事件が発覚しても、「彼は思想犯です」と、まだ彼を庇う。
梅山曰く、殺された若い自衛官の事を「彼は権力に迎合していた側だったのだから、殺されても仕方がない」みたいな事をほざいていたが、
沢田は当時、被害者の事を少しでも考えた事があったのだろうか?
沢田は既に社会人で、記者でもあるのに、何故もう少し客観的に梅山を見ることができなかったのだろうか?

私はこの世代よりも後の人間なので、沢田がどうしてここまで梅山にシンパシーを感じたのか、この映画からは分からなかった。
なので、沢田が最後に流した涙の意味も、全く分からなかった。
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