冒頭の戦場シーンや息詰まる狙撃戦の描写はとても無情感と緊迫感がある。また、狙撃の名手である主人公ザイツェフを素朴で純粋(実際どういう人物だったかは知らないが)に演じたジュード・ロウの演出が、映画全体として魅力のあるものにしているのも確か。
そのあたりはなかなか見応えがあるのだが、やはりというか、美しい女性兵士を絡ませる市場向けの演出がカッタルイし、ラストも不要。
エド・ハリス起用で締りのある狙撃戦自体は良いのだが、何度も同じようなシチュエーションが繰り返されるので、最後の方は少しだれてくるのは否めない。
二重スパイのようなことをしていた子供のラストの仕置きもちょっと解せない(そこまで子供に秘密を明かしたのは戦略ではないのか??)
とても良い題材と上等の雰囲気づくりでもっと良い映画になりえたのにもったいないという感想。