アツギ

スターリングラードのアツギのレビュー・感想・評価

スターリングラード(2000年製作の映画)
4.0
2001年公開の映画を観たい観たいと思いながら今日 やっと観ました
戦争が描かれるもの(特に第二次世界大戦)は凄惨で心がえぐられるのでなかなか勇気が出ないのです
感受性豊かな思春期の頃に『 シンドラーのリスト』を観てあまりの酷さに しばらく落ち込んでしまい 戦争ものは心のコンディションを整えてから見ようと決めました 観たい映画も色々あり先延ばしになり今日になってしまいました(23年も経ってしまった💦)

公開当時 確か『ターニャ、君の為に今日もナチスを撃つ』という様なキャッチコピーがあるCMが流れるたびにジュード・ロウとレイチェル・ワイズが戦争の最中でも美しいと思っていました

ソビエト(ロシア)とナチス(ドイツ)の最終決戦と言われるスターリングラードの戦いを描いていましたが狙撃手同士の心理的戦いがメインと感じました
軍(国)は人を人扱いしない 人への尊厳などなく 酷いと思うのを通り越して様々な感覚が麻痺していたのがよく分かるなと感じた 戦争とは日常が日常でなくなるもの
主人公は狙撃手の名手で一躍有名になるが嬉しそうでもなく 終始笑顔はない ただ戦争を早く終えることを切に願っているような眼差しに見えた
レイチェル・ワイズとの恋は戦争の最中だから分かりやすくイチャイチャなんてないけれど互いの視線が物語っていた
皆が寝ている時にレイチェルがジュード・ロウを誘いにくる時の あの緊張感!!
互いに求めていたのが一瞬で察知する2人の共鳴力!!
エロさよりも 『いつ死ぬか分からないから生きている今 好きな人に触れたい 』という切ない気持ちを感じた
戦争は沢山の人々が亡くなり常に死が迫る非常事態で恐怖が支配する恐ろしいもの だけど この映画には何故か違うものを感じた
主要な登場人物達が 自分より大切な人を守りたいという思いが強く何がなんでも生き抜いてやる気迫がない
自分は死ぬかもしれないから大切な人には生きて欲しい それだけが戦う原動力に見えてより一層切なく人の希望を打ち砕く戦争の哀れさが際立った

若い時に見るよりも冷静に観れて良かったと思えた
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