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バターンを奪回せよのmhのレビュー・感想・評価

バターンを奪回せよ(1944年製作の映画)
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WW2の真っ最中に作られたハリウッド製プロパガンダ映画。
米比軍(アメリカが現地募集で結成したフィリピン軍)視点というのがめずらしく、それが見所。
米比軍が展開した抗日活動、ゲリラ戦をジョンウェイン率いる米軍が支えていたという話。1944年10月20日アメリカ軍のレイテ島上陸までを描いてて、その後に続くルソン島上陸、マニラ市街戦についてはノータッチ。
アメリカ市民向けと同時に、フィリピン市民向けの映画という制作意図があったのだろうね。スペイン統治時代に独立運動をしていた英雄、ホセリサール、アンドレスボニファシオ、秘密結社カティナブンなどにも触れている。
フィリピン人に対して日本兵がひどいことをする場面がいくつかあった。例えば衆人環視の中、小学校の校長を絞首刑にするとか。いまからすればそんなあからさまな作り話を信じるわけないだろうと思うんだけど、こうした宣伝の積み重ねでアメリカ市民の間ではまんまと反日感情が爆発している。
終戦直後、アメリカ軍は、フィリピンのひとたちから浴びせられる罵倒と投石から、日本兵を護衛する必要があったとのことで、こうした映画も反日感情の正当化に一役買っていたのかもしれない。
絞首刑は極端だとしても、フィリピンのひとたちにひどいことしたのは本当なので日本人として見てると複雑。
クライマックスは米軍のレイテ島上陸。
物語のほとんどがルソン島で展開してたので、どうやって移動すんのかと思ってたら、すでに移動済みだった。ナレーションが入ってた間に移動したみたい。
竹筒を使って水中に身を隠すというフィリピンに伝わる戦術を使って、ルソン島にいた日本軍もレイテ島に移動しててそれに勝利してエンドだった。
水田に潜むジョンウェインが面白かった。ジョンウェインの傲慢な感じも相変わらずでいいイメージがまったくない。ジョンウェインの代表作を見てこの苦手意識を払拭したい。
mh

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