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肉体の遺産
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『肉体の遺産』に投稿された感想・評価

Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.8
「肉体の遺産」

冒頭、 アメリカ南部。ここはテキサス。荒野の林の中、野鴨を待つ狩人、17歳の息子、使用人、訓練、大イノシシ退治、獲物、拒絶、腹違いの兄弟、綿加工場、子供、結婚。今、父と息子、男と女の愛と憎しみが映し出される…本作はウィリアム・ハンフリーの小説をヴィンセント・ミネリが映画化した米国南部の旧家を舞台に描いた人間ドラマでこの度、復刻シネマライブラリーから初円盤化されて初鑑賞したが傑作だ。やはりハリエット・フランク・ジュニアとアーヴィング・ラヴェッチの脚色は最高やな。それと主演のロバート・ミッチャムは最強や。




さて、物語は女遊びをしてきた一家の大黒柱の男が、拳銃で撃たれる。彼は街の住人から恨まれている。それは身勝手な男の末路でもある。彼は新婚早々、素性の知れぬ女との間に子供をつくる。やがて子供は成長し、実の息子と同じ女性を争うようになる…。


本作は冒頭に広大な大地が映し出されるファースト・ショットで始まる(壮大な音楽と共に)。そしてカメラはゆっくりとスライドし、茂みに隠れる数人の男と犬を映し出す。空には鳥が飛び、その鳴き声が聞こえる。男たちは猟銃を構える…と途端に一発の銃声が聞こえる。狩り仲間の男性が何者かによって撃たれた。狼狽しながら男たちは彼の応急処置をする。撃たれた男は誰の仕業だと聞く。そして仲間が拳銃で撃った男を見つける。そしてお前は誰だと問い詰める。

どうやらその男は女房に近づいたことにより撃ったらしい。そして男は解放され去っていく。撃たれた(テキサスで広大な土地を所有するウェード・ハニカットと言う人物)男は酒でも飲んで医者に診てもらうと言い、担ぎ込まれていく。カットが変わり、テキサスの田舎町の小さな病院で手当てをしてもらう。 医者はこの村は危険だから女漁りなどするなと忠告する。続いて仲間と車に乗ってタバコをふかしながら会話する描写へと変わる。

彼は自宅まで送ってもらう。そして家の中に入り、人の名前を呼ぶ。そうするとハンナと言う女性が現れる。どうやら彼の奥さんらしい。彼女は亭主の怪我してる姿を見ても動じず普通に対応する。彼女はいたずら電話が3件あったと話す。そしてなぜ撃たれたかを彼女に話す(嘘の話)。続いて、17歳の息子セロンが街を徘徊するシーンへと変わる。そこに6人の父親のお仲間らしき男が彼について言及する。

そしてセロンに声をかけ、彼はその場にしゃがみ男らと話をする。そして成り行きで彼も6人と同伴で、猪狩りに同行することになる。カメラは真夜中の森を捉え、そこに連中が現れる。男たちは息子に笛を渡し、吹かせ彼らはセロンをその場に置いて車で立ち去ってしまう。続いて彼らは息子が戻ってくるのが遅いといい、改めて見に行く(その時、息子の父親も一緒に迎えに行く)。


そして父親は息子に対して、お前は担がれたんだと言う。息子は僕は本当にバカだと落ち込む。続いて、邸宅の描写へと変わる。息子は慌てて2階に上がり、服を脱ぎベッドに座り落ち込んだまま。父親は悔しいかと聞く。彼はあんな子供騙しに騙されるなんてと後悔する。そうして2人の会話が始まる。父親は息子に忍耐力などを鍛えるために狩りを猛特訓しろと言う。そして戸棚から拳銃を取れと言い、彼の能力を試す。父は暖炉に向かって拳銃を撃ってみろと言い、彼は家の中で?と言いつつも、試しに射撃する。その音に驚き家族がみんなリビングに集まる。

(ここでは、重要な物事が判明するためネタバレにならないように言及はしない)。

続いて、使用人のレイフと父親と3人で山に狩りの練習をしに来た息子が射撃の練習をしている。途中で土砂降りの雨に遭い、2人は木の上に登り一休みしつつ会話をする。カットは変わり、自宅で黒人の使用人が食事の用意をしている。そこに息子の姿がある。そしてテーブルに座り、母親を交えて3人で食事をする。ここで様々な話が始まる。

そして父親は息子に対して、巨大猪の仕留め方を丁寧に伝える。そして3匹の犬を連れて彼はレイフと夜更けこ森へと行く。カットは変わり、日中の森の中で3匹の犬が血相をかいて走る方向へ2人も走りながら獲物を探す。そうすると犬の1匹が何者かに攻撃され死んでいる。そうするともう1匹瀕死の状態で見つかる。ところ変わって、自宅のパーティーと変わり、そこに1人のリビーと言う娘に好意を抱くセロンの姿がある。

彼はパーティー終わりにリビーに花束を持ち、彼女の自宅へと行くが、リビーの父親が彼を拒絶し追い払う。何も答えてくれない彼女に絶望する彼は道端に花束を捨てて自宅へ戻る(そして様々な事柄が起きてセロンはもう一度リビーと会話する場面へとこぎつける)。カットが変わり、人々がお墓の落ち葉拾いなどをする場面へと変わる。そして使用人のレイフと奥様が会話する場面へと変わる。彼は自分の母親が亡くなった石碑について語る。

続いて、レイフが森を散策している、セロンとリビーがピクニック気分でコーヒーを飲みながら休憩している場面へと遭遇する。彼はそこに座り3人で世間話をする。そしてカットが変わり、セロンが母親の自宅へと戻り、好きになった女の子の父親に毛嫌いされていることを話す。そしてここで重大な真実が明らかになる。

そうして、父親の秘密、父と息子の関係、男と女の出来事、渦巻くこの街での問題事が浮き彫りになり、家族の愛憎劇が始まる…と簡単に説明するとこんな感じで、ミネリの傑作だ。


この映画はラスト10分がとんでもなく緊迫感に満ちている。クライマックスの森のあの幻想的な演出はマジでヴィンセント・ミネリの天才ぶりが発揮されていると思う。それにカメラのなめらかな動き方がたまらなくかっこいい。 1960年代の映画の中でもダントツに面白い1本なんじゃないかな。
あまり深く言及してしまうと、重要なネタバレになってしまうので、あまりこの作品についての感想は書けないが、なかなか衝撃的な終わり方だった。
lemmon

lemmonの感想・評価

4.1
ジョージペパード演じるレイフが儲け役とも取れるが、もう切ない。

長尺である理由がある。丁寧なのに多くは語らず、複雑に絡む人間関係、、、面白いと言って良いのか、画面の中の登場人物たちは大変だろうな💦

奔放と寛容は表裏一体なのかも。
ミッチャム演じる街中の女と寝た街の権力者を中心に添えて話が進む。
ただコレも噂が飛び火して、話が膨れ上がっているだけの部分もあるんだろうなあと想像。

血筋が、皮肉めいたラストに向かわせる。
ここも上手いんだなあ🥴
家族、誰が決めたか一番近い他人。
残った人たちを見よ。家族とは。

たくさん言いたいこともあるし、観返すとまた発見があるだろう。


是枝作品に通づる。
好みだった😁
Filmomo

Filmomoの感想・評価

4.8
①絶頂期のヴィンセント・ミネリ監督、そして多くの名作を手掛けてきたミルトン・クラスナーの撮影、原作のベストセラーを脚本化したのがハリエット・フランク・Jrとアーヴィング・ラヴェッチの複眼(このコンビも多くの名作を書いている)という、映画職人が結集して生み出された扇情的かつ情緒的風合いの濃厚な家族の愛憎劇の力作。映画職人たちの技や細かな配慮がいたるところに見られる。ミネリはこの前の年に傑作『走り来る人々』とレスリー・キャロンの『恋の手ほどき』を撮っているからすごい。それにしても最近、50年代の職人映画監督たち、ミネリのほか、ロバート・ワイズ、ウイリアム・ワイラー、エリア・カザン、アナトール・リトヴァク、西部劇ならバッド・ベティカーやバート・ケネディ、アンドレ・ド・トス、ラッセル・ラウズといった名匠の映画を堪能すると実に豊かな映画体験をしている気分になる。この映画の鑑賞後の余韻たるや一口には語れない。②この映画を一言でいうと、ある家族の「ホーム(Home)」を巡るドラマだ。原題の「Home from the hill」は、冒頭に映し出される言葉「Home is the sailor home from the sea, And the hunter home from the hill(船乗りは海より戻り、狩人は丘より戻るは家なり)から来ている。ロバート・ミッチャムは南部に住む元大尉で大地主。そしてハンティングの名人で女たらし。かつて町中の女性と関係を持ったとうわさされ、そのことは町中に知られている。美しい妻のエリノア・パーカーはそんなミッチャムに心を閉ざしている。その理由は明らかで夫の女性関係のみならず、物語の中盤で明らかになる、「秘密」のせい。二人の間には17才の息子ジョージ・ハミルトンがいる。土地の間借り人たちに担がれ、恥をかいた彼は父親に大人の男になりたいと申し出る。父ミッチャムはこの言葉に機は熟したりとライフルを教える。それまで息子に関わらなかった父親に対して母親は猛抗議する。だが、息子は母親がおやすみのキスをしようとすると顔をそむける。こういうちょっとしたシーンだが細部まで演出が行き届いている。ミッチャムのところに小作人たちが「イノシシに手を焼いているので何とかして欲しい」と嘆願に来る。それを聞いたミッチャムは息子にこの件を託す。世間知らずのジョージ・ハミルトン坊やに、射撃を教えたり、女の子の誘い方を教えてやるのがミッチャムの使用人で若きジョージ・ペパード。その後ペパードを介してルアナ・パットンをデートに誘い、家に迎えに行くが彼女の父親から門前払いを喰らい、失望する。だがその後パットンはハミルトンに謝りに来る。そして二人は付き合うようになる。ある日ハミルトンが夜遅くに帰ってきた日、彼ははじめて母親にこれまでのいきさつを話す。デートに迎えに行った時、彼女の父親からごろつきを見るような眼で見られ、ひどくののしられた。ナイーブなハミルトンはそのこと―彼女の父親に嫌われている―が頭から離れなかった。それを聞いたエリノア・パーカーの感情が一気に爆発する。「あなたではなく、あなたの父親が気に入らなかったのよ!」映画が約半分経過したところで、ようやくロバート・ミッチャムとエリノア・パーカーの関係がはっきりする。そしてジョージ・ペパードの正体も明かされる。秘匿されてきた真実を知った息子は、その日を境に父親を見る目ががらりと変わってしまう。この映画の登場人物たちの問題点と相関関係が暴露され観客の心をぐっと掴む。息子の行動が中盤から終盤へのドラマを紡ぎだす。ジョージ・ハミルトンは家族の関係に思い悩む。両親が自分を奪い合うことで傷つけあい、奪うことを愛だと盲信しているからだ。父を憎む自分も愛することができない。よって、パットンに「父のようになりたくない、子供も欲しくない、結婚もしたくない」と言って別れる。だが、すでにパットンはハミルトンの子をお腹に宿していた。カトリック教徒で、厳格な父親の元では逃げることができない。このことを知ったパットンの父親は、ミッチャムのところへ謝罪に行き、二人の結婚を認めてほしいと懇願するが、ミッチャムは認めない。娘が行きずりの男との間に出来た子だろうと言って、父親を突き放すのである。ハミルトンがいなくなった以上、ルアナ・パットンは急いで誰かと結婚し、その人の子として出産することで偏見の目から逃れるべく、ペパードを誘惑してその気にさせ、結婚しようとする。だが、ペパードに見抜かれ、涙ながらに真実を告白するが、逆にペパードからそれを承知で結婚を申し込まれる。この時のペパードの「心優しい孤独な青年」の演技が素晴らしい。やがてハミルトンの子が生まれ、ペパード夫婦はささやかな家庭を持ち、お互いも次第に愛情が深まっていく。一方、ハミルトンは家を出て孤独に働き始める。エリノア・パーカーは家庭不和のストレスのために衰弱してゆく。さらに町の人々は「生まれた子は、あの男(ミッチャム)にそっくりだ、あの男が孕まして、使用人のペパードに金を払って夫婦にさせて追い払ったのに違いない」と噂する。ハミルトンが実の息子なのだから正真正銘の孫であり、顔が似るのは当たり前なのだが。しかしこの噂をパットンの父親が聞いてしまう。ここから一気に終盤へと物語は向かう。③メロドラマなので、前半のステレオタイプの父親像と、不仲の母親、世間知らずの息子、心優しい使用人という登場人物を、時折はっとする筋運びで観客に見せ、中盤の「秘密の暴露」で衝撃的な展開を見せた後は、次々とそのことが原因で起こる扇情的な場面転換(家庭離散、未婚者の妊娠、その父親を巡る黒い噂・・・)が続くため、長尺でも全く飽きさせない。ヴィンセント・ミネリの演出は、多少強引な、登場人物の思想や行動を、その人物がその行動を取るのが必然的と思わせる圧倒的な構成力を持っている。非現実的な扇情的ドラマの中身を分厚く見せる力があるのだ。メロドラマにもかかわらず「人生」や「人間性」あるいは「家族」というものを深く考えさせられる。「ホーム(Home)」とは何か、何が「ホーム」であるべきなのかについては、映画の結末で見せてくれる。その後時代と共に量産される「新しい家族の姿」をこの映画は1959年の時点で提示していた。

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