オーウェン

ベンのオーウェンのレビュー・感想・評価

ベン(1972年製作の映画)
3.0
この映画「ベン」は、ねずみが人間を襲う動物パニック映画「ウイラード」の続篇で、生き残ったねずみのリーダー、ベンと心臓病で体の弱い少年の奇妙な友情がテーマになっている。

この映画は、マイケル・ジャクソンが歌う主題歌が大ヒットした事でも有名になった作品です。

この映画は、前作の「ウイラード」よりもずっと面白かった。
というのは、ねずみの大群の活躍が、前作よりずっと広範囲で、監督も重いダニエル・マンからアクション専門のフィル・カールソンに代わって、見せ場をたっぷりこしらえているからだ。

もちろん、こういう題材だから、ご都合主義的なところも多い。
映画の冒頭で、ウイラードがねずみに殺される、前作のラストが紹介された後、ウイラードの家に残っていたねずみの大群は、パトロールに来た警官を食い殺し、当局との戦争が開始されるのだが、リーダーのベンは、病弱な少年リー・ハーコート・モンゴメリーの部屋に現われて仲良しになる一方、大群を指揮して町のいろいろな店を襲撃する。

特に、スーパーマーケットを食い荒らす場面はすさまじい。
少年がベンに案内されて、下水道の奥の彼らの本部を訪れる場面などは、気味が悪い一面、ファンタスティックな魅力がある。

たまりかねた当局は、ねずみの大掃討計画を実施する。
こうなると、町ぐるみの市街戦みたいなもので、前作にはなかった大規模な見せ場が展開する。

下水道のあちらこちらから入り込んだ攻撃側は、大きなトンネルの中を火焔放射器や散弾銃をぶっ放しながら進むが、突如、逆襲して来るねずみに殺される者も続出する。

ベンは、部下の大群を指揮して退路を求めるが、遂に本部に踏み込まれて全滅状態になる。

最後に生き残って、ベンが傷だらけになって少年の部屋に現われるところは、誠に英雄的で、実際にこんな物騒なねずみの大群に暴れられてはかなわないが、映画としてはなかなかよく出来た作品になっていたと思う。
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