浅野公喜

ウォーキング・トールの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ウォーキング・トール(1973年製作の映画)
3.9
元レスラーの男が保安官となり田舎町にはびこる悪を掃除する実話をベースにした70年代豪快バイオレンスアクションで、ザ・ロック主演の「ワイルド・タウン/英雄伝説」のオリジナル。

序盤から集団リンチ→雨の中放置されたと思ったらすぐ棍棒持って復讐、汚職保安官もパトカーごと川に転落させる等勢いに溢れ、刑法を覚えたことで意地悪判事の部屋をトイレに移したりと一見脳筋キャラかと思いきや知性もちゃんと有り、裏切り者の警官をダイナマイト仕掛けた場所に歩かせて脅す所もサイコパス寄りかもしれませんがそのやり過ぎ感がたまらなかったりします。やや冗長に感じる所も有りますが、妙な間も無く唐突に訪れるアクションは(特に終盤の夫婦のドライブ中)スリリングで、最後は70年代のこの手の作品らしくやるせなさも有りますが終始「目には目を、歯には歯を」を徹底してやってくれるので爽快感が有りました。

主人公家族の長男を演じているのはトシちゃん「哀愁でいと」の原曲を歌っていたレイフ・ギャレットで、エンディングはジャズシンガーのジョニー・マティスが担当。本国では大ヒットしたらしく、70年代には続編2作(どちらも未DVD化)が作られており、それらも観てみたいです。
浅野公喜

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