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サハラ戦車隊のイシのレビュー・感想・評価

サハラ戦車隊(1943年製作の映画)
3.0
サハラ砂漠に取り残された3人の米国軍人は、1台の戦車に乗って味方の軍隊と合流しようと砂漠を進む。道行く道で、連合軍の兵士たち――英国人兵たち、回教の黒人兵、フランス軍兵士と出会い、旅は道づれとばかりに一緒に戦車で進むことになる。
途中で、連合国軍である彼らの敵、つまり「枢軸国」のヨーロッパ勢であるイタリア兵、そしてドイツ兵までも合流し先へ進む。
しかし、ここは砂漠。進むためには水の補給が喫緊の課題である――砂嵐の中で、ドイツ軍が迫ってくる中で、彼らは……。

1943年。ナチ対連合国軍の戦火が日増しに激しくなってゆく、その入口の時期に作られた、兵士たちを想う映画だった。
1台の戦車で、ちょっとわちゃわちゃしながらも、一緒に進んでいく兵士たちに敬意を持てる。

別の国からやってきたけれど、肌の色も、お国言葉も違うけれど、ここから生きて帰らねばならぬのは同じ。
様々な国籍の人々が流れ着き、戦地から離れたところに拠点を持つハリウッド映画だから、作れたものがあっただろうと思う。

ドイツ側の兵士たちもまた、戦争の犠牲者たちであり、人間であることが描かれることになるまでは、1945年を超えなければならなかった。同じくアルトマンの監督した『コンバット』のエピソードには、どうにか、みんなして生き残ろうや、という葛藤が見て取れる。
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