真世紀

イザベラの真世紀のレビュー・感想・評価

イザベラ(2006年製作の映画)
4.8
香港新世代(1973年生まれ)のパン・ホーチョン監督新作。

返還を間近に控えたマカオ。チャップマン・トー演じる警官センは汚職に絡み、停職中。酒にギャンブルに女にと乱れた日々を過ごしている。

そんなある日、一夜を共にした少女ヤンが実の娘と名乗りをあげて、転がり込んでくる。このヤン役のイザベラ・レオンがすごい魅力的である。美形で細くて長い四肢(ホットパンツ姿で美脚見せっぱなしの上に上が水色、下が白のミニスカという制服姿まで披露)。

最初の何かを押し殺したかのような無表情が次第にほどけていくあたりや行動の奔放さにもう魅了されっぱなし。共に酔い潰れ、夜の街頭ではしゃいだりという父娘。ここでトーが伝授するのがビール瓶の割り方だったりする(笑)。こんな風に随所に得意のコミカルな場面を交えながら叙情漂わせるのである。

我らがアンソニー・ウォンも登場。わずか三シーンで強い印象を残す。

なお、この話を思いついたきっかけはチャップマン・トーにもうすぐ結婚すると言われた時にトーぐらいなら自分が知らないだけですでに子供がいたりするんじゃないか、なんて思ったあたりからとか。

そんなところからこんな話を紡いでしまうんだから才人である。東京国際映画祭で観る。なお、ティーチインに登場の監督はサービス精神旺盛、当日は自ら申し出てのサイン会までありでした。
真世紀

真世紀