ねこまるキャット

ロアーのねこまるキャットのレビュー・感想・評価

ロアー(1981年製作の映画)
3.7
『パニック』×『CG無し』
猛獣達と生活する父親を、家族で訪ねるも、父が不在。
猛獣に慣れてない家族が騒ぎまくる、まさかの"CGなし"パニックムービー。

まず冒頭、爆走するキリンにバイクで並走し、ライオンの群れの前で駐車するという、やばすぎる映像。

イカれてる…。

全ての映像がイカれてる。
猫カフェの猫が、ライオンに変わったような画。そしてそこで演技が行われているという。

そもそもこの映画を作ろうと思った監督、制作陣、演者、全てがどうかしてる…。

内容としては、あらすじの通りで、ギャーギャー騒ぐだけ騒いで「なんだこいつら実はいい奴じゃーん」というだけの映画なんですが、衝撃映像の連発。

台詞を喋ってる最中に、後ろでライオンが喧嘩し始めたり、人間がライオンの喧嘩を仲裁するため割って入ったり、まじで頭がおかしい。

映画のメッセージとしては、動物の無益な殺生に対して訴え掛けるために作った作品なんですが、その伝え方が正気の沙汰じゃない。

エンドロール中に、
「アフリカの野生動物を後世に残していく事は、全世界に課せられた使命です」
とか、もう怖いよ…。

主演は、ヒッチコックの"鳥"でも主演だった、ティッピへドレンですが、調べたらこの監督と結婚されていて、演者も身内らしいです。

そりゃこんな映画オファー受ける人いないよな…。

11年かけて1700万ドルで製作され、200万ドルしか興行収入を得られなかったようですが、恐らくそんな数字は関係ないという感覚の人達なんでしょう。

プライベートでもライオンや虎を飼っていたそうです。

そんな動物愛、エゴを押し付けるような作品ですが、映像は全てが衝撃的です。

やばすぎる映像なのに笑っちゃいます。
ネコ科の猛獣達に愛くるしさも感じてしまいます。

パニックムービーというかパニックコメディですが、興味がある方は是非🐈