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TOKYO!のkatomのレビュー・感想・評価

TOKYO!(2008年製作の映画)
3.9
詰まる所、東京という舞台を活かせているのか疑問に感じたが外国からみれば日本はこんな風に見えるのだろうか。


1作目『インテリア・デザイン』ミシェル・ゴンドリー監督

存在意義がテーマ。主人公は椅子になって初めて存在意義を獲得しやりたいことも実現する。みんな誰かの椅子になりつつ、その報酬としてやりたいことをやっている、そんな風なメッセージを感じた。実際に人間を椅子にして見せてしまうのは映画だからこそできる表現だし、上手いと思った。江戸川乱歩の人間椅子、読んだことないが関係してるのだろうか。
絶妙に変なカップルでアメリカップル的魅力があった。(アメリ別監督やけど)ムード・インディゴもへんてこなキャラパレードで独特だったし、ミシェル・ゴンドリー節なんやろうなあ。


2作目『メルド』レオス・カラックス監督

東京というより、異物を排除しようとする日本の悪しき風習を風刺した皮肉たっぷりのブラックジョークって感じだったけど、本作が一番東京を風刺していた? 怪物が、「 人間が嫌い」と話すだけでなく、「日本人が嫌いだ」とも話すのが印象的だった。監督の本音だったりして。(笑) それに対する日本人側の、「そんなに日本が嫌いなら去ればいいじゃないか」の台詞は実生活で偶に耳にする言葉だ。なんやなんや2作目は、怪人種のゴジラ的設定の装いをした、日本人へのアイロニーとも受け取れる。
あとは、怪人種メルドの死刑の瞬間をスマホで録画する描写が印象的だったが、それは人の死すらもエンタメとして消化する都会の人間の道徳観の欠如や冷酷さの風刺であり、果たして怪物はメルドと東京の人間と、どっちなのか?という監督からの問題提起であろう。
にしても、あの謎の怪人種の演出が神すぎる(笑)(笑)
どうやったらあんなん思いつくの(笑)(笑)(笑)


3作目『シェイキング東京』ポン・ジュノ監督

トイレットペーパー美術が素晴らしい。トイレットペーパーの芯をアートの域に持ってけるなんて…。(感想あさすぎ)

作品の評価としては1作目は4.8
2作目は3.8
3作目は3.8
全体的には3.9
でミシェル・ゴンドリーの優勝です!

でも、どの作品も東京を切り取る視点が独特で面白かった。
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