Automne

TOKYO!のAutomneのレビュー・感想・評価

TOKYO!(2008年製作の映画)
3.8
ミシェルゴンドリー、レオスカラックス、ポンジュノの3監督が東京を独自の視点で切り取ったオムニバス。作り手しては2008年以前にこの話が持ち上がった時点でそこに並び立てる日本人監督が存在しなかったのはすこし悲しい。

◎ミシェルゴンドリー『インテリア•デザイン』
映画の面白さとしては奇妙な(odd)シチュエーションというのはあると思っていて、そういう意味での東京の切り取り方は好き。
ノリは完全にフランス。駐禁払えなくて的な身近な貧困を描くの好き。会話は若干スノッブなのと、椅子になるというモチーフは悪くないけどまあ安易。寄り掛かってもらいたいという比喩だとしたらベタベタ過ぎんか。映像としては奇妙だったとしても。あと日本語と演出(声色)が明らかにGoogle翻訳した日本語のそれなんだよなあ。

◎レオスカラックス『メルド』
私はホーリーモータースを先に見た口なので、「あいつやんw」となってしまって爆笑した。
それでいて『死刑!』『次はニューヨーク編』とかあってメルド知ってるから余計爆笑。まじでホーリーモータース先見て良かった。
ギャグとして捉えてるけど、やはり社会風刺のあれが強くて、拉致被害者問題がしれっとモニター流されてたり、メルドが住んでる洞窟に旭日旗と「南京に於けるわれらが英雄」という文字が書いてあったり、そこそこシビア。「日本人の目が女性器みたい」は怪人の言葉借りてるけどそういう思考があるんだなあと、ちょっとやり過ぎなような。あんまりsarcasm的なノリのほうのカラックスは好きくないかも。

◎ポンジュノ『シェイキング東京』
これが1番良かった。日常の切り取り方、香川照之が分身したように錯覚させるワンカットのマジック撮影技法。引きこもりからの脱却、その原因が地震などの自然から否応なく引き起こされる感じ、引きこもりの生活や恋によってしか動けない男というもの。光の表現や映像の綺麗さも好き。共感度と芸術性の高さでバランス取れてるのすごい。ただ終盤の蒼井優の情緒は、たとえロボットだったとしてもちょっとヒステリックすぎるかも、その辺の男女ノリは韓国だなあとなる。あとラストにスイッチを押したことによって恋に落ちるのはご都合主義的? それとも韓国の女性たちはこれくらい男に征服されたい願望があるの? 私は日本人だから分かりません。ただラストシーンはほんとに神。

◎おまけ
極私的不動の外国人視点TOKYOムービーはダントツで『ロスト・イン・トランスレーション』byソフィアコッポラ です🫰
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