F亮

グリーン・ランタンのF亮のネタバレレビュー・内容・結末

グリーン・ランタン(2011年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

本作はDC映画ユニバースの滑り出しを非常に怪しくしてしまった作品である。

作品の内容としては非常に手堅い作りで、これといった綻びもない。アクションシーンはコミックのオマージュや再現度は高い。しかし、だからといってこれといった珍しい演出があるわけでもなく、ストーリーも単調である。ラストの展開はハル・ジョーダン以外のランタンズが全く活躍しないのも大問題だし、いきなり事件が宇宙規模になるのはもはやDCつまらない映画のお家芸になっている。

と、ここまで文句を言ってはいるが個人的にはとてもお気に入りの作品である。まず、グリーンランタンのオリジンを語る上で避けて通れないのが唐突に大きな力を手にいれてしまうことある。スパイダーマンやキャプテンアメリカも同様に力を手にいれてしまうところがあるが、彼らは地に足を着いた形で力と寄り添って成長していく。だが、ハル・ジョーダンは唐突に宇宙規模の力を手にいれるのである。そこから繋がる彼の修行パートは確かに唐突に感じてしまう。ここに観客と映画の最初の齟齬が生まれるのである。ここで生まれた齟齬が最後まで開き続けるのがこの映画最大の問題である。ところが、ここにグリーンランタン最大のメッセージが込められていると思う。つまり、ヒーローの条件とは力を得ることではない、ということである。要はスパイダーマンと同じなのだ。ただ、スパイダーマンと圧倒的に違うのはヒーローの自覚を得るために必要なのが誰かの死ではなく、あくまでも恐怖を乗り越えることであるというとてもグリーンランタンが持つメッセージと足並みを揃えていることである。ゆえにこの映画には好評価をつけておきたい。

つまり、グリーンランタンは最高のヒーロー映画だってことだ!!
F亮

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