紅蓮亭血飛沫

グリーン・ランタンの紅蓮亭血飛沫のネタバレレビュー・内容・結末

グリーン・ランタン(2011年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

キャストからもよく話題(ネタ)にされるのもあり、大して期待していませんでしたが…なるほど、お世辞にも面白いとは言い難い作品でした。

特にラスボスとの最終決戦、どんな戦いになるかと若干期待していたのですが…5分ぐらいで終わってませんでした?
それも太陽に放り込まれてあっさり負ける、って…。
拍子抜けというか、それでいいのかってぐらい簡単な処理…。

そんな本作でしたが、いい加減だったストーリー構成が目立つ一方で、気に入った面もちらほら見受けられました。
まず映像面ですが、予算をたくさん使ったのが伝わってくる、映画というジャンルに値する見映えがハッキリとしていました。
グリーンランタンの能力(創造力)を駆使する描写は創意工夫なバリエーションに富んでいましたし、全編に渡って美麗な映像美を徹底していたので目の保養になりました。
意志を力にするグリーンランタン、しかし“意志を意識するあまり、意思の疎通を蔑ろにしていた”という落しどころには感心させられましたし、本作は本作で得られたものがあったように思います。
良くも悪くも単純明快なストーリーなので、スーパーパワーを手にして身も心も生まれ変わる主人公、という点は一貫しており、違和感のある寄り道等もなかった。
その為、物語の方向性自体には特段異物が入り込んでいたわけでもなかったんですよね。

しかし、ここまではある意味前座でした。
内容も内容ですが、それ以上にCパートとエンドクレジット後のワンシーンがとんでもないインパクトを放ちます。

あれだけ本編通して「“恐怖の力(イエローリング)”を使ってはならない、でも使わなきゃ勝てない」というドラマを展開しておきながら、Cパート(おそらく続編があった際の布石、もしくは劇中のワンシーンなのでしょう)ではそのイエローリングをはめてるわけですから、映画の締めとしてはずっこけちゃいますよね。
劇中通して「悪を倒す為には悪の力を使うしかない…でも…」と展開しておきながら、本編では悪の力を秘めたイエローリングを使わずとも、5分ぐらいの短時間であれほど恐れられていたラスボスをしょうもない手段で始末できてしまったわけですから、イエローリングを使う必要性が続編への示唆として捉えても、それほど興味を惹かれない…。
悪の力に頼らずとも強い意志と勇気を持てば強敵と渡り合える、という本作の結末を、最後の最後に否定しているかのようで後味が悪いんですよね。

というか、あのラスボス相手に正面から何人もグリーンランタンの精鋭達が突っ込んでいくも敗北、ノコノコ逃げ帰って来ただけ…というのも彼らの威厳を損なわせる、いい加減な扱いでしたね…。
主人公・ハルがラスボス相手に繰り出した決め手がもう何番煎じと言っていいぐらいにしょうもないそれでしたので、じゃああの精鋭達ならもっと粘れて勝てたのでは…と勘繰ってしまいます。

最後に、エンドクレジット後のワンシーンなのですが…。
あれって、コミカライズみたいな文献の宣伝…ですよね…?
初めて見ましたよ、映画の最後に関連商品と思わしきものを宣伝する映画なんて…。
あそこまで行くと商魂たくましいですね…。

映画ファンの間でもあれこれ言われるのも頷ける出来でした…。
いくつか興味を惹かれる箇所こそあれど、ほとんどがそれほど手を加えられていない、雑なものとして提供されていたので印象に残らないというのも痛手。
折角の質の良い映像美、能力描写も霞んでしまうぐらいにストーリーが単調で面白みに欠けます。
視聴する事自体は可能の範囲内でしたが、最終決戦通して「もう尺がないから巻きで!」という声が聞こえてきそうなぐらいにスピード解決だった辺りからどこか諦めの境地に入ってしまいましたね…。
正直、お勧めはしない映画の部類です…。