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ゴースト/血のシャワーのBobsanのレビュー・感想・評価

ゴースト/血のシャワー(1980年製作の映画)
2.5
ナチスの拷問船という設定が最高ですね。その拷問船そのものもどこで見つけてきたのか、或いは本作の為に拵えたのかわかりませんが、スピルバーグの「激突!」のトラックに比肩する程素晴らしい見た目です。さらにタイトル(原題)とポスターデザインも最高で、これは傑作に違いないと思って観てみると、う〜んなんだかいつまで経っても全然盛り上がらない…。人死にはあるものの直接描写はなく、船内に充満する怨念の影響を受けて凶暴になるジョージ・ケネディも(大好きな俳優ですが)「シャイニング」のジャック・ニコルソンと比べると如何にも迫力不足で物足りない。甲板から海に飛び込めば簡単に脱出できるというのもスリルがありませんが、小さな女の子を高い甲板から容赦なく海に放り込んだのにはこの時代ならではの野蛮さがあって思わず笑ってしまいました。
この手の作品はなんだかんだあって最後は船の大爆発で終わって欲しいものですが、本作はそれもなく、ヌルッと終わる割にたいした余韻もないので恐怖映画としては及第点以下と言わざるを得ません。
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