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大いなる幻影 Barren Illusionのunkoのレビュー・感想・評価

大いなる幻影 Barren Illusion(1999年製作の映画)
4.3
タイトルから幻影感を出してくる。
自分の目がぼやけてるのかとおもったよ笑
最近、相米監督、エドワードヤン監督を立て続けに観ている中で、この時期影響を受けていたと自身も語っている黒沢監督作品を観賞。
「chime」も完成していて、今年観れるので楽しみAGEということです。

武田真治と唯野未歩子の恋愛を描く。恋愛関係の中、日本の昭和な家屋を映す。引いて長回しして、人を動かす。
「アカルイミライ」でもそのような感じだが、演技指導はせずカメラ外まで動きを指示してカメラは固定。外側で人を動かす余地を残す撮り方。
相変わらず面白い。

本作パンフレットは監督本人のインタビューは存在しないが、映画美学校の生徒を多数使っており、
制作過程のスクリプトを残してくれていて、監督の印象と撮り方、役者との折衝がほんのり書かれていて新鮮だと思った。
また天候が変わり荒れてきた時に、いい感じに風が吹いてきましたねーという監督の発言。ホラーっぽいです笑

恋愛を描きつつ、映像的にも霊的な表現(現実的じゃない幻想)をわかりやすく表現している今作と、
霊的要素をなくし表現した(と勝手に思っている)「トウキョウソナタ」「モダンラブ・東京」と対比できて個人的に感慨深かった。
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