TAK44マグナム

野獣捜査線のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

野獣捜査線(1985年製作の映画)
3.7
短評です。


クリント・イーストウッドの「ダーティハリー」をイメージして描かれた脚本が紆余曲折を経て、チャック・ノリスを主演にむかえて製作されたヒット作。
全編通して、かなり男汁がムンムンとしたハードボイルドな雰囲気。
ノリスのトレーニングシーンも半裸でムンムン!
汗でテカる筋肉の肌艶や胸毛もナイス!
御家芸の空手アクションは少なめですが、クライマックスではロボット戦車まで用いたド派手な銃撃戦が繰り広げられます。
不正行為を働いた仲間を擁護しなかった為に誰も援護にこないなか、待ち受ける凶悪マフィア集団にたった1人で殴り込みをかけるチャック・ノリス!
孤立無援でも正義と信念を貫く、これぞヒーローじゃないですか!


本作でのチャック・ノリスのバディは、本来のパートナーが(警察をやめて転職することばかり考えているのが最高。演じているのが本物の警察官っても凄い)怪我で戦線離脱したために、気の弱い新人警官があてがわられます。
だがしかし!本当の相棒は前述したロボット戦車だったりするので本作は侮れません!なんだそりゃ!となりますよ(苦笑)
そんなわけで、クライマックスの激闘でチャック・ノリスを見事にサポート・・というか、殆どの敵を倒す大活躍をはたす機動ロボット戦車、通称「プロウラー」。
これ、実在したロボット製作会社の商品だったんですって。
でも映画公開の翌年には早くも倒産(汗)
映画自体はそこそこヒットしたはずなのに、何の宣伝にもならなかったのか(汗)
それはともかく、この「プロウラー」。
メチャクチャな火力で、ドッカンドッカン爆発させて勇ましいにも程がある!
マフィアの一団程度の戦力では全く敵わないのです!
しかも敵を設定すれば自動で感知してやっつけてくれるという優れもの!
なんて便利で頼もしいのか!
まぁ、実際は映画のようにうまく機能しなかったから倒産したんじゃないのかと、どうしても勘ぐってしまいますけれどね。
しかし前門に最強ロボット戦車、後門に人類最強の男とは、マフィアのボスを演じたヘンリー・シルヴァもさすがに可哀想すぎる(苦笑)
でも、メチャクチャ悪いヤツだったからいいか!


たった1人(+ロボット)で二大麻薬組織を壊滅させるチャック・ノリス大暴れの「野獣捜査線」。
少々古臭くなりましたが、アンドリュー・ディヴィス監督(「逃亡者」「沈黙の戦艦」)のキレのある演出が功を奏し、シャープなアクションや派手な爆発が楽しめる逸品でした。
現役警官まで役者として投入、シカゴ警察のリアルな雰囲気を伝えることにも成功しています。
刑事たちがバーに集まって飲んでいるところへ珍客が現れるコメディチックなシークエンスも、緊張感で埋め尽くされた本作において良い息抜きになっていました。
それにしてもアメリカって現役警官が副業で俳優をやったりできるんですね。
肯定的な意味でユルいなぁ。

二大マフィアの抗争、仲間の不正行為事件、新人刑事やマフィアの娘との交流など、散漫となってしまいがちなところを手堅くまとめた脚本も見事。
元々ハリー・キャラハンを想定しているためか主人公のバックボーン等は殆ど説明がないけれど、とりたてて問題はないかと。
渋めな音楽も都会的で格好いいです。
チャック・ノリス道への入門編、そして刑事モノの娯楽作品としてオススメします♪


セル・ブルーレイにて