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女囚さそり 701号怨み節のにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

女囚さそり 701号怨み節(1973年製作の映画)
3.0
伊藤俊也監督と決別して、長谷部安春監督になった女囚さそり。長谷部安春は好きな監督なんだけど、本作はなんか日活感が強すぎて、東映的な安っぽいエログロナンセンス路線がなりをひそめすぎてて哀しい。唐突に腕切り落として血がぶしゅーとか、男性刑務官のくっそ理不尽な暴虐陵辱とか、脈絡なく現れるおっぱいとかキチガイ婆さんとか、でもなんだかんだでネアカで勧善懲悪的なカタルシスとか、そんな東映的エンタメ性が女囚さそりの面白さだったんだけどなぁ。中盤までは完全にファムファタールと出逢っちゃった田村正和の物語化していて、さそりちゃんの存在感が薄い。田村正和がナミナミ言ってるから天使のはらわたかよって思っちゃった。演じる梶芽衣子の立場からしたら、さそりちゃんを一人の感情ある女性として描いている本作のほうがいいんだろうけど、一般の観客からしたら前作までのほうが面白いよね。終盤からちょっとだけ東映っぽく女囚さそりっぽくなるけど、テンポが悪く蛇足感がひどくてつまらない。なんでこうなっちゃったのかなー。
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