びいどろ

デビルのびいどろのネタバレレビュー・内容・結末

デビル(1997年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

【記録】

名作。独立闘争に伴うテロ、銃社会(エディがこそ泥を殺してしまう)、トムの警官としての矜恃、とても胸が締め付けられる話だった。
IRAをはじめテロ組織の戦闘員には、フランキーのように、幼い頃に親を殺されたような好青年が沢山いる、といったテロや紛争の負の連鎖が描かれている。エディが打たれたのも背景を知らない市民からしたらアイリッシュのテロリストが警官を殺したとしか映らないし(これは人種差別へも繋がる)、ミーガンの子どもが映るシーンもそれを予感させた(考えすぎかも知れないが)。
トムの心境が思いやられて終始苦しい。「アメリカの話じゃない。アイルランドの話だ。」という伏線にもなっていたセリフは、父との思い出のような良い話も悲惨な話も、フランキーと違う道を歩んだトムの心情も、テロや紛争を他国のことだからと傍観しているだけではいけないというメッセージも、様々な意味を含んで、作品を貫くメッセージであったと思う。
タイトルも邦題ではデビルだが、原題は「the devil's own(過酷な仕事、困難な状況)」であって、含みがある(コードネーム「エンジェル」ともかかっている?)。
無論、迫真の演技だった。
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