真っ黒こげ太郎

トランスフォーマーの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

トランスフォーマー(2007年製作の映画)
5.0
※今回のレビューは、レビュワー独自の見方が強いです。
特に後半の文章は、古くからのトランスフォーマーファンの方々やマイケル・ベイ版のTFシリーズから解放されて喜んでる方から見たらウンザリして「この愚か者めが!!!」と怒り出すかもしれません。
このレビューはコマンドアクション映画やドンパチアクション映画に精神を支配された時代遅れな捻くれオタクの文章なので、余り真に受けないでください。
まともなレビューをご期待の方々は申し訳ございません。


”マイケル・ベイ” × ”スティーヴン・スピルバーグ”

驚異の映像革命が、映画史を塗り替える!!!




中東カタールのアメリカ空軍基地が謎の軍用ヘリに襲撃された。
その軍用ヘリは突如として巨大なロボットに変形し、軍の機密事項を盗んでいった。
謎のロボット達はその後も暗躍し、エアフォース・ワンの機密情報を盗んだり、カタール基地の僅かな生き残りを襲撃する。

一方、平凡なオタクの男子高校生、サム・ウィトウィッキーは父親に黄色いカマロ(シボレー)の中古車を買ってもらう。
だが、そのカマロは巨大なロボットに変形して、サムを狙う謎のロボットを撃退する!!!
カマロの正体は、惑星サイバトロンからやって来た金属生命体「トランスフォーマー」の若き戦士、バンブルビーだった!!!
サムはそのまま正義のトランスフォーマー、オートボット達と出会う。

オートボットの司令官、オプティマスプライムによると、サイバトロンを復活させるエネルギー源、オールスパークを探しているとの事。
そしてサムのご先祖で探検家のアーチボルトは「トランスフォーマー」と出会っており、その時の眼鏡がオールスパークを探す鍵なのだ。
オールスパークは戦争を巻き起こした悪のトランスフォーマー”ディセプティコン”達も狙っており、彼らの手の渡れば地球は大変な事になる。

オールスパークを巡って、正義と悪のトランスフォーマー同士の戦いが始まろうとしていた。




同名の玩具シリーズを実写映画したロボットアクション大作「トランスフォーマー」シリーズの記念すべき1作目。
映画界の巨匠スティーヴン・スピルバーグ氏と「アルマゲドン」等で知られる映画監督マイケル・ベイ氏がタッグを組んで放つ、壮絶なSFロボットアクション大作!!!

一作一作があまりにも濃すぎる為に、2019年の頃から時間を掛けて追いかけてきましたが、ようやっとシリーズ全作をレビュー出来た。
ぶっちゃけ「最後の騎士王」の時点で全シリーズ見てるんですが、ここまで来るのに時間が掛かりました。

思えば昔は某ロボットアクション映画の2作目が失敗して今シリーズが比喩表現に使われたのが始まりだったなぁ。
当時はAsylumのパチモンを見て期待値を下げまくり(なんだそりゃ)ながら見たのを覚えてますし、それよりもっと前に映画をちゃんと見始める前の時期にも見たのを覚えてます。


そんな思い出深い一作でありますが、最初に見た時はあんまりいい印象を持てなかった映画でした。
少年とロボットの友情物語がそこまでしっかり描かれてる訳でもないし、後半からの戦闘シーンではロボット達の立ち位置が分からない中でただ戦闘シーンばかりが延々と続くという内容で、何だかよく分からねぇ映画というのが第一印象でした。

しかし、その後某ロボ映画の2作目が失敗した時に本作を見たら、思わず膝を叩いてしまう程の大発見をしてしまったのだ。
「なるほど!!!これはこういう映画だったのか!!!」と。
(作品を沢山見てマイケル・ベイさんの作家性を知ったというのもありますが。)

というのも今作、戦闘シーンの殆どがミリタリー要素が満載だという事。
軍人達によるロボット相手の激しい銃撃戦に、迫力満点の火薬の大爆発、無人戦闘機を駆使したドンパチに、飛び交うミサイル弾と着弾破壊のオンパレード。
クライマックスは市街地でド派手な軍事戦闘までもが決行され、戦闘機や戦車が火を噴き、悪の巨大ロボット軍団相手に銃弾やロケランぶっ放しまくりの凄まじい戦闘描写。

そう、今シリーズは近代兵器が飛び交う、ミリタリー&コンバットアクション映画だったのだ!!!
しかも、今作はコマンドアクション映画にロボットまで追加した、とっても贅沢な逸品だったのだ!!!!

いやぁ、それに気づいて以来、もうこの映画が大好きになっちゃったね。
何しろ大作コマンドアクション映画にロボットまで追加しちゃうなんて、流石ハリウッド大作映画、わざわざスケールがデカい!!!w

戦闘シーンは軍が協力しただけあって凄まじいまでのドンパチと火薬の嵐。
近代兵器が火を噴き市街地がボッコボコになり、火薬爆破の大輪が花を咲かす戦闘シーンは近年のCGビーム系アクションでは得られない迫力。
軍の人も正義のロボット軍団に負けじと大活躍しており、主人公を熱いセリフで鼓舞するわ、敵ロボットを豪快なやり方で仕留めたりと、軍人側の見どころも満載。

そんな中で正義と悪の巨大ロボットの入り乱れる戦いが繰り広げられるんだからもうたまらない。
CGのクオリティも今見ても遜色なく、映像革命と呼ばれるだけある。



一方、話自体は「正義のロボットと悪のロボットがドンパチ!」の一言で済む位薄っぺらいお話だし、基本的に勢い任せに物語が進行するので映画としては割と雑だったりする。
(まぁ、このシリーズはいつもそんな感じだが。むしろ今作はまだストーリーが綺麗に纏まってるまである。)
だが、等身大の少年がロボットに出会う話や、謎のロボットが群を襲撃する話等、複数で展開されていくストーリーが(やや強引なやり方ではあるが)段々一つに纏まってゆき、最終的には「地球侵略物」な大スケールの物語に収束してゆく様は、流石ド派手な超大作を得意とするマイケル・ベイさんが監督してるだけあります。
「ザ・ロック」や「アルマゲドン」、「バッドボーイズ2バッド」等で見せたスケールをしっかり大きくしてゆく手法は今作でも健在でした。


そんなこんなで見どころ満載、ドンパチ満載、スケールも巨大と正にハリウッドの大作映画に相応しい作品ですが、しいて難点を上げるとロボット同士の戦いがやや見ずらい事でしょうか。
ナンバリングを重ねていくたびにそこら辺が改善されてはゆくのですが、最初の方はまだロボット同士に殴り合いを描くのは不慣れだった様で。

後、所々にコロコロコミックみてぇなギャグや下ネタがあったりするので、そこは人を選ぶ所かもね。
(「メイクが溶けて目が痛い!」や「ケツのポケットだ!」「沢山あるぞ!」の件や笑えたけどねw)


という事で、正にハリウッド大作と言わんばかりのド派手な見せ場の連続と大量の火薬とミリタリーアクションで楽しませてくれる、正にエンターテイメント映画の王道を行く素晴らしい逸品でした。


という事で、マイケル・ベイさんが手掛けた「トランスフォーマー」シリーズもこれでコンプリート。
一作一作が二郎系ラーメンのデカ盛り張りに多いので見るのはスゲェ大変でしたが、何だかんだでどれも鉄と泥臭くて火薬満点で基本的に楽しいシリーズでした。
(Linkin Parkの曲もカッコ良かったし!!!)








ーーーーーー※注意※ーーーーー
こっから先は映画本編のレビューとは一切関わりのない長文が流れます。
基本的に不満や愚痴要素が多めなので、興味の無い方や新しいシリーズの方が好きな方はみない方が良いかもしれません。


「司令官!!コメントで一言モノ申しましょう!!!」

「落ち着け!今レビュワーの方々に八つ当たりして何になるんだ!」

「いつもいつも自分の好きなタイプの映画はコケにされてばかりです!!!もう我慢でけんッ!!!」

「戻って来い!!!ってお前は何時も我慢できてないじゃないか!!!」



そんなこんなで続いていたシリーズだが、5作目で興行的&批評的に失敗し、長らく監督を降りようとしていたマイケル・ベイさんは5作目で監督を降りた。
今後もシリーズは継続するし、マイケル・ベイさんも制作の一人としてシリーズに関わり続けることになったが、ベイさんが降板した後のシリーズは興行的に成功した上に、批評的にも高評価を納めた。
今後、恐らくベイさんは監督として戻ってこないだろうし、同様の作風に戻る可能性も低いだろう、シリーズもリブートされるとの事で勿体ない事である。




「みんな下がれ!早く!レビュワーの不満が爆発する!」

ほああああぁあぁぁぁああぁああああぁあああぁぁぁぁぁあ!!!!!(怒り爆発)


「(怒りに任せて)動いちゃダメです!他の監督に任せてください!(監督交代のテコ入れ的な意味で)」

「ああぁ…いや大丈夫…なんともない…。(震え声)」

「一度有名な戦争映画を借りに行っては…?」

「大丈夫だと言ってるだろうがァ!!!!(顔を剥ぐぞ)」

「気持ちは分かるが精一杯やったんだ!(ベイさんの擁護を)」

「しかし結果が…これでは…ッ!(2作ビデオスルー&配信スルー)」




非常に個人的な話になるが、確かにベイさんの作品は少々話の面での間延びが多く、尺も長いし内容も山盛りなので観ていて疲れるし気軽に手を出しにくい感はあった。
実際、マイケル・ベイ監督も後に「作りすぎた」と認めており、マンネリ気味になっていたのは否めないだろう。

が、ロボットのアクションは回を重ねる度に見やすくなりレベルアップしているのは間違いなかったし、火花散る本物の爆発アクションや派手に物がぶっ壊れる破壊描写やカーアクションはちゃんと迫力があった。
なので脚本やドラマは兎も角、アクション描写に関してはベイさんの派手さや火薬量や鉄臭さ油臭さ等を引き継いだ上で、近代兵器類のドンパチやド派手な破壊シーンもちゃんと残しつつ引き継いでくれればベストに思う。

今年は「ワイスピ」「M:I」「JW」「EXP」の新作が出たor出る予定なので最近はそうでもないが、正直近年は軍人が一緒に戦ったり、鉄臭い銃器や兵器類がガッツリとアクションに関わるミリタリーやコマンド要素のあるアクション映画が大作シリーズでも余り見られなくなっており寂しい。

予算のない日本映画やVシネマとかテレビ映画とかならまだしも、最近の、しかも莫大な予算を掛けて作られたハリウッドアクション大作にも拘らず火薬の爆発や近代兵器類でのドンパチが減っているような気がしてならないのだ。
CGや特殊効果で魅せるアクション映画を否定するつもりはないけど、(一部を除いて)火薬とか泥臭さみたいな脂っこさが足りないのが虚しく思える…。
因みにこのアクションが見られないというのはコロナウイルスによる新作延期とかの話ではない。
コロナ前に公開されていた幾つかのアクション映画の時点でかなり泥臭さが減っていたように感じたのだ。
(某「エ○ーナルズ」とか某「ク○ントマニア」とか…ってどっちもM○U作品じゃねぇか!)

最新作でベイさんのアレコレを忘れない姿勢に「ふざけんな!」「もういいよ!」的な声も上がっているとは言え、ベイさん特有の演出(逆光とかの演出や豪快なカメラワーク、盛りだくさんな内容とかロボの複雑な造形)とかは抜きにするとして、せめて今までの作品で培われたド派手で熱い火薬や舞い散る爆炎に硝煙、鉄臭さムンムンな戦車や戦闘へリ等の近代兵器の活躍シーン、そして今までの数多くの作品でアクションを盛り上げてくれた、着弾地点での激しい爆風や火花が飛び散るような砲弾や弾丸が激しく飛び交う撃ち合いといったコクのあるアクションは引き継いで欲しい。
出来れば軍人の主要人物も出してもらい、ミリタリーとかコマンドアクション的要素も臭わせて欲しい。
(まぁオリジナルのアニメにも悪のロボットに襲われるモブ軍人が出てるし、敵や味方側に戦車や戦闘機に変身できるロボットはいるからある程度は話に絡められるとは思うけど。)


実際、後にスピンオフを手掛け高評価を獲たトラヴィス・ナイトさんもドラマをしっかり描きつつも、素晴らしいアクションやカーチェイスはちゃんと残してアクションの良さや脂っこさを引き継いでくれた。
硝煙が舞う火薬のド派手な爆発もあったし(流石にあの掘っ立て小屋の爆破はCGじゃないよね?)、ミリタリー要素も話に盛り込まれてたし、ロボットアクションも更に良くなっていた。
(実際、アクション監督の人は4、5作目の人が続投している。スピンオフ作品を持ち上げて過去作を乏しめてる人は、そういう制作スタッフの裏方の所からちゃんとベイさんの繋がりがあるのを知るべきだ!!!)


要するに、

今後も火薬の爆発を使って泥臭さをある程度残しといて!!!!
泥臭いドンパチを感じてこそアクション映画なんだから!!!!
銃撃、爆破、肉弾戦、カーチェイスの無いアクション映画に何の価値があるんだ!!!
あと、今後もベイさんの新作はちゃんと劇場公開せーよ!!!
過去の幾つかの作品みたくビデオスルーとか配信スルーとかやめてくれ!!!!
ちゃんと同時並行とかで劇場公開してドンパチ成分補わせろよ!!!
今度は劇場へ観に行くからさ!!!たとえどんなに世間から酷評されてても!!!

って事だ。

まぁマイケル・ベイさんは監督に自由に作らせてあげるタイプの人だと思うので、そうはならないと思うけど、今後このシリーズがどのように展開していくにしても、

"マイケル・ベイさんの全てを投げ捨てる"のではなく、"マイケル・ベイさんの良い点を汲み上げる"

ような作品作りを後のクリエイターの方々が心がけてくれるよう願いたい。

マイケル・ベイさんの豪快なドンパチコマンドアクションが好きでシリーズを追いかけた俺は切に思う。
(単に俺が、目や手の平からビームを出すアクションやCGのスペースオペラ的なアクションが好きじゃないだけかもしれませんが。)

以上、「バンブルビー」の劇場公開時からずっと溜まっていた不満を全てさらけ出した上で筆を置かせてもらいます。
長くなっちゃってごめんね。