daiyuuki

俺たちフィギュアスケーターのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.0
アメリカ、男子フィギュアスケート・シングル部門で一際脚光を浴びているふたりの男がいた。たくましい体を駆使して氷の上を激しく滑り、【氷上のロックスター】と呼ばれるチャズ・マイケル・マイケルズ(ウィル・フェレル)。
方や、幼少の頃、孤児院の池でトリプル・ルッツを滑るところをスカウトされ、その後も英才教育を受けて育った【氷の神童】のジミー・マッケルロイ(ジョン・ヘダー)。
互いをライバルとして認め、数々の大会で1位の座を争ってきたが、世界選手権の直接対決で初めて同点1位となった。
渋々表彰台に上がるも、長年のライバル心から大乱闘を起こしてしまい、大会マスコットはケンカに巻き込まれて炎上、表彰式も台無しになってしまう。
後日、ふたりはスケート協会から金メダルの剥奪と男子シングル部門からの永久追放を言い渡される……
事件から3年半。ふたりはそれでもスケートの世界にしがみつくように生きていた。
チャズは子供向けアイスショー、マッケルロイはスケート用品店で働いていた。
そんなある日、ふたりに活路が開ける。「永久追放を言い渡されたスケーターは出場停止対象になった部門に出られない」というスケート規約を逆手に取った、前代未聞の男子ペアを組んでの復帰である。
コーチ(クレイグ・T・ネイソン)の元、長年の因縁を忘れ、力を合わせてペアスケートに臨むふたり。
果たして、彼らは再びあの頃の栄光を取り戻すことができるのだろうか?
フィギュアスケートという競技の自己陶酔的な部分とハイクオリティの技術が必要な部分を、的確に爆笑もののコメディに昇華した傑作コメディ映画。
性格も競技スタイルが違う者同士がぶつかり合いながらタッグを組む中で最強のパートナーとして再起するという展開はスポ根ものの定番だが、フィギュアスケートのペア競技に男子ペアで参加するという意外性、ワンハンドリフトなど男子ペアでしか出来ないパワフルでアクロバティックなスケーティング中でもクライマックスで見せる「鉄の蓮」という奇想天外なスケーティング、フィギュアスケートの自己陶酔的な部分を笑わせながらだからこそ観る者に夢を見せる秀逸なスケーティングシーンの数々、スケーティングシーンで流れるエアロスミスや「フラッシュゴードンのテーマ」、男子同士の友情とスケーター同士の恋、フィギュアスケートに馴染みがなくても楽しめる傑作コメディ映画です。
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