らんらん

大勝負のらんらんのレビュー・感想・評価

大勝負(1965年製作の映画)
3.0
栄華を極めた東映時代劇、その末期の映画
この頃の東映時代劇はモノクロの集団抗争系とか、任侠やくざテイストの作品が多いイメージなんですが、今作はかつての娯楽作風なストレートな作りになってると思います
【あらすじ】
悪を取り締まる十手持ちには取り締まる為の力が必要とされ、自然とその地区で親分と呼ばれる者たちがその任を担うことになった
だがそのやくざ親分たちが増長の一途を辿ったことによりご政道は乱れ始め、これを是正する為幕府上層部(加賀邦男、大友柳太朗)は隠密を使って工作を始めることにしたのだが、、、
【感想】
関係図を整理すると
十手持ちの阿部九洲男、その弟分多々良純をそれぞれ親分とする町を二分する勢力があって
それぞれに訳ありっぽい遊び人大川橋蔵と片岡千恵蔵が草鞋を脱ぐ
さらには旅役者の一座もこのタイミングでやって来ていて、その太夫高千穂ひづるは両親分の間を色仕掛けで引っ掻き回す

前半のポイントは果たして誰が隠密なのか?って点
敵を欺くには味方からってことでこの地を担当する代官大坂志郎もその正体を知りません

バレ書いちゃうと隠密の正体は高千穂ひづる
でも隠密行動はしていても正真正銘の旅役者の太夫で、大友柳太朗に頼まれて引っ掻き回してるだけ
ってことで真の隠密がいるのかな?もしかして橋蔵と千恵蔵の両方とも?とか深読みしてたんだけどそんなことはなくw

やくざ達から十手を奪う大作戦とか大層なこと言ってた割にはなんの連携も取れていないテキトーな作戦で拍子抜け
そもそも千恵蔵と橋蔵がこのタイミングでたまたま町に来たってのも都合が良すぎ

なんか行き当たりばったりすぎて途中からどうでもよくなってくる
終盤200人のやくざvsたった40人の役人の大勝負!みたいな構図が出てきて、大ピンチ!みたいに煽るんだけどなんか全然そうは思えないっていうか、、、だって千恵蔵と橋蔵がいて、大友柳太朗も駆けつけるってんだから勝つしかないでしょwなんの意外性もなくてガッカリ

最後にクレジットメモ
トップは片岡千恵蔵、トメに大川橋蔵、トメ前が大友柳太朗
内容を見ると千恵蔵&橋蔵のW主演って感じ、大友柳太朗は出番の少ない特別出演って感じ

言っちゃなんだけど、、、今更片岡千恵蔵をトップに持ってきてる時点でダメだよねー
ってかもしかしてこれが御大の東映時代劇最後の主演作かも?
んーー、そういうの考えると東映時代劇末期の作品って寂しくなるね
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