2023.10.8 48-148
サビーヌは嫌な人やけど、こういうところあるよな、と思うとおもしろくなってきた。「身近な人間関係に居そうな人のあるある」を簡潔にかつ鋭く描くのがロメールのおもしろさでもあり、と同時にあんまり「芸術ぽくないもの」を描くんだろう、という不思議さでもある。
結婚の決断で好きな男を見つけ、男が自分を愛するよう奔走する。しかし、その決断こそがサビーヌのプライドの高さから成しうるものであり、しかしそのプライドゆえに、好きな人にふられることが受け止められないだけでなく、自由な行為、自由な決断、相手への愛に由来する結婚への決断ができなくなってしまった。
