飯

砂の女の飯のレビュー・感想・評価

砂の女(1964年製作の映画)
4.5
濃厚すぎる寓言ドラマ。
男性=文化/女性=自然、エデンの園コンプレックス、ストックホルム症候群、自由と制限、無限と有限、個体と社会の弁証法。
シーシュポス式の存在主義窮境。

映像の肌理と触感。
砂漠、風、木門、女の胴体、男の荒れ肌、汗、髭、砂。女がタオルで男の身体を拭く時、砂礫が柔らかい皮膚から落ちていくうちに、妙にのどが渇いた。視覚以外の感覚が刺激されたかと。

角度と構図。
大量なクローズアップ、のぞきの快楽。客体の不確定性がこの快楽さを一層増やした。無限に拡大されるショット、膨張する欲望。

一粒の砂、砂漠を構成する最小単位。
一人の人間。

井の底でも自由な蛙が存在するのか。
飯