だい

砂の女のだいのネタバレレビュー・内容・結末

砂の女(1964年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。

他の方のレビューを見ると、原作通過済の方が多い。
学のある人多すぎ!BIG UP!

無学でごめんなさい。



幻想的でファンタジックな話かと思ってたら、
全然違ぇ!

むしろ社会派にぶりっぶり振ってます。

相当に寓話的なのでマスキングされてますけど。
でも隠しきれない社会派のかほり!!



田舎におけるドス黒い因習。
慣習の外にあるものを見ようとしない閉鎖性。

都会の人間が、
法を説いても、希望を説いても、
そんなんは空虚です。

法なんてもんは、集落の外の社会にあるものであり、
希望なんてもんは、集落の中にはないのだ。

そこにあるのは、
砂のように、
ただ肌にまとわりついてきて、
いくら掻いても無くならない、
そんな形のないものなのだ。



でもね。

男は最後には自分の意思で、
「そこに居る」
ことを選んだんだよな。

法に縛られない生活。
限りなく「現在」だけに生きる生活。

男がいて、
女がいて、
興味の対象があって、

それだったら、どっちを選ぶ??
って。



都会にだって、砂はあるのだ。

責任とか、
常識とか、
規則とか、
そんななんやかんや。

まとわりついてきて、
どんなに払ってものしかかる奴ら。



何年もの間、
男は法的に「失踪者」であって、
何年もの後、
男は法的に「死亡者」扱いになった。

でも、
集落で男は確かに生きていて、
法が何と言おうと、
男の生活には何も影響は、ない。


法が定めたステータス。

それでぼくらの存在は規定されて。
幸せなのかな?
どうなのかな?
だい

だい