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砂の女のnoelleのレビュー・感想・評価

砂の女(1964年製作の映画)
5.0
原作好きだから観るのをなんとなく先延ばしにしてたけどまあそりゃいいよね…な勅使河原ビジョン×武満音楽だった。原作読んだ時の脳内イメージとほぼ一緒で驚いた(穴の中の家が割とちゃんとしてたこと以外)
*原作を軽く読み直しメモ
砂は時間のメタファー?目先の名声を求めて砂漠にやってきた彼もいざ脱出の切符を手にしてしまうと「明日でもいいんだ」と結局帰らない。人間社会の時間からの解放。「罰がなければ逃げる楽しみもない」脱出を試みていたときのスリルは無くても、より広大な時間の中に投げ出され解放されたようなラストはハッピーエンドでもないけど悲観的でもない。どんな場所であれ自分にとっての「慰み物」があり、その状況に自分が納得できていればいい。そういうことなのかもしれない。日本版カフカ。
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