風馬

砂の女の風馬のレビュー・感想・評価

砂の女(1964年製作の映画)
4.8
「だって、砂がなきゃ誰もあたしのこと構っちゃくれないんだから…。そうでしょ?お客さんだって……」

【感想】
同監督・脚本タッグの《他人の顔》が良かったから、軽い気持ちで鑑賞。
後悔した。本当に恐ろしい。見ていてずっと辛かった。
それは、映画自体は突飛な設定であるにも関わらず、主人公の仁木に現実の自分を重ねざるを得なかったから。
この映画は現代を生きる僕に、“生きるとは” ”自由とは“といったふと湧いてしまう疑問、深入りすると恐ろしい事に気づいてしまう気がして目を背けてきた疑問に、向き合って自覚する事を強要してきた。
そして最後の仁木の判断……恐ろしい。監督にお前の事だと言われている気分だった。
辛かったけど、これに高評価を付けない訳にはいかない。映像もたまらなく美しかった。ただ人には安易にオススメできないし、正直僕はもう二度と見たくない。
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