ハル

東京マリーゴールドのハルのレビュー・感想・評価

東京マリーゴールド(2001年製作の映画)
3.5
なんとも言えない虚しさの残る作品。

嘘と見栄と本当の気持ちが入り乱れ、虚勢で自分を作った男と契約恋愛を受け入れた末に騙された女の話。

とはいえ芝居は本物で、特に田中麗奈の表情が良く映えていた。
彼女を通して、等身大の女性の心情がよく伝わってくる。
頼るとこもなく、周りの友達がドンドン彼氏を作っていく時の焦りやその内情を繊細に表現していた。

また、古ぼけた東京の町並みが滑稽な二人の生き様や関係性と密接に繋がっている様に感じられ、何かと考えさせられる一幕も。
少し懐古主義的な感覚に陥るテイストが漂う。

最後、全てが明らかになる時、女の方は吹っ切れ前へ進んだように見えた。一方、逃げてしまった男はまた愚行を繰り返すのだろう。
殊更ながらファーストインプレッションの重要性が身に染みる。

ただ、こんな愚かな繋がりだとしてもケース次第では成立する事実もあって
、本作を通じて綺麗事じゃない男女間のリアルな側面を感じられたのが良かった。
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