クルードス

アメリカン・ハードコアのクルードスのレビュー・感想・評価

アメリカン・ハードコア(2006年製作の映画)
3.8
80年代に巻き起こったアメリカのハードコアムーブメントのドキュメンタリー。

80年代アメリカ音楽シーンの裏歴史だったが、90年代にNIRVANAを始めとしたグランジが登場、彼らに影響を与えた音楽として再評価された。

50年代の古き良きアメリカに懐古しようとしたレーガン政権に対して、一部の若者は不満を持っていたという背景が紹介される。
とは言え、イギリスのバンドのように思想ありきではなく、もっと無邪気にやりたい放題やっていたという印象。

ファッションもイギリスは革ジャンにモヒカンで、ある意味ファッショナブルなのに対して、アメリカではTシャツにジーンズの普段着でそのままステージに上がる。

アメリカ全土にハードコアのムーブメントが広がっていき、地域ごとに独特の発展をするというのは広いアメリカならではで面白い。
一方で暴力的で女性軽視な当時のシーンのネガティブな一面も捉えている。

影響力が強かったバンドとして取り上げられるのは、BLACK FLAG、BAD BRAINS、MINOR THREATの3バンド。
どのバンドも大好きで高校生の頃にホントによく聴いたが、特にBAD BRAINSは当時のライブ、楽曲共に凄まじくカッコよく、演奏力や楽曲のアイデアも素晴らしい。

アメリカの80'sハードコアは一時期本当に聴き倒していて、このドキュメンタリーに出てくるバンドはほぼ知っている。

その中で思ったのは、

・歳を取ってもKEVIN SECONDSはカッコいい

・Cro-magsのハーレー、ちょっとレベルの違うカタギとは程遠い雰囲気で怖過ぎ

・一瞬出てくる初期のD.R.Iのライブをもっと観たい

・MUNITEMENのマイク・ワットの車インタビューはアルバムのジャケ写を意識してるのか?

個人的には80'sの中では一番好きなイタリアンハードコアのドキュメンタリーなんて観てみたい…。