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風と共に去りぬのshunのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.8
言わずと知れた不滅の超大作、ついに観てみました。数年前に購入した格安DVDで二日に分けての観賞。

4時間近い大作ですが一瞬も飽きさせない脚本とCGなんて存在しなかった時代の映像、大スターたちの名演にただただ圧倒させられた。

絶世の美女ヴィヴィアン・リー演じる主人公のスカーレット・オハラ、その性格の悪さについて色々言われてるけど個人的には大好きな主人公でした。
まさに激動の時代を生き抜く強い女性で、その意思の固さと外見の美しさや魅力でどんな困難にも立ち向かう姿が勇ましい。それと同時に自分の本当の気持ちになかなか気付けず人を遠ざけてしまうところも人間らしいなあ。
80年以上前の映画にこんな女性キャラがいたんですね…

荒れた故郷で拳を握り神に誓うシーンはこれまで見てきた中でも最も力に満ちていた。ああ生きるってこういうことなんだなって思いました。

親友/ライバルのメラニーとの関係も好き。計算高くお金のための結婚を何度も繰り返すスカーレットといつまでも優しく純粋なメラニー、正反対の2人の一言では言い表せない絆です。
一般的には天使のようなメラニーが人気だろうけどお互いがいなかったら2人は戦争を乗り越えられなかったと思うんです。

本作は近年黒人奴隷の描かれ方などで配信停止も検討されるなど話題になっているみたいですね。ただ自分は80年も昔の作品に現代では当たり前のことを求めてもなあと思ってしまう。むしろこの作品を通じて「こんな差別が普通だった時代もあったんだ」って感じで過去を考えるきっかけになればそれでいいと思います。そもそも19世紀アメリカが舞台とは言えフィクションなわけだし。
結局解説動画をつけて配信しているHBOの対応が正しいような気がします。

1人の女性の人生から「生きる力」の偉大さを描いた名作。
After all, tomorrow is another day. そのセリフに、そして彼女の生き方に力をもらった。ああいい映画だなあ
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