あすなろ文化祭

風と共に去りぬのあすなろ文化祭のレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
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1939年アメリカ映画。諸説あるが400万ドル程度の制作費が投入された文芸大作。ただし、制作者セルズニックは合成画面等を多用し膨れ上がるであろう制作費と制作日数を抑える才覚も持ち合わせていた。前半の山場アトランタ市の駅前に横たわる負傷兵の約5千人を動員したと言われるモッブシーンも実はかなり人形を代替わりさせている。その直後の負傷兵とアトランタ市の大遠写も合成である。名高いアトランタ炎上も火災は合成場面を多用。因みに燃え落ちる巨大な建物の脇を馬車が避難する場面の建物は過去に作られた別の映画で使われた大オープンセットをそのまま流用。奇しくもこれが名場面となっている。アトランタが砲撃され逃げ惑う市民の処理やアトランタのオープンセットは大規模で素晴らしい。今ならCGだろう。銀幕のスターが織りなす文芸絵巻だが、戦争に飲み込まれていく人間の生々しい群像劇でもあり、そのドラマ性は普遍的でもある。4時間の長尺もので、一際目を引くのはヴィヴィアン・リーのほぼ全編に渡る活躍である。全身全霊ともいえる、生命力を燃焼させて演じるスカーレットに完全に自らを同化させているこれはある意味奇跡の映像といえる。
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