せーや

風と共に去りぬのせーやのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.0
あんなにIntermissionが長い作品は
見たことがなかったなあ…。

時は1860年代、アメリカ南部ジョージア。
南北戦争に突入するこの時代に、自らの故郷と愛する人を守った、一人の女性がいた。

いやー、長いね。
4時間弱ですって。
ゴッドファーザーより長いよ。
でも、そんなに長く感じなかった。

この映画ってなんでこんなに
ものすごく評価が高いんだろう。
「きっと主人公が健気で正義感に溢れた素晴らしい人なんだろう…」と見る前は思ってました。

でも、そうじゃなかった。
主人公スカーレットは、当時の、いわゆる「淑女」ではない。
気性は激しいし、当時のアメリカ社会では、特に南部では相当異端児的な存在だったんではないでしょうか。

もう一人の主人公、レットも「紳士」じゃない。
金のために生き、女をとっかえひっかえするような男。

二人とも南北戦争には反対だし
二人とも時代に歯向かった存在だった。
それがもしかしたら名作となった理由かもしれない。

そしてスカーレットは最初は本当に嫌な女なんです。
女性から見ても男から見ても、嫌な女です。
自己中極まりないし、自意識過剰だし。
でも、スカーレットは次第に変わってくんです。
戦争を経験し、飢えを経験したことで、彼女に元々あった強気な性格が、幸運にも、時代を生き抜く強さになった。

でも、スカーレットは戦争後、再び元に戻っていきそうになります。
それを制止してくれたのが、スカーレットが愛した男アシュレーの妻、いわゆる彼女が嫉妬した張本人、メラニーでした。

メラニーがいなければ、スカーレットはここまで成長しなかったんじゃないかと。
そしてこの映画も、ここまで良い映画と評価されることは無かったんじゃないかと。

公開されたのは1939年。
第二次世界大戦が始まった年。
この映画を見れば、CGも何もない時代に、アメリカがどれだけの力があったかわかります。

名作であることは同感だけど
やっぱり当時の人たちのような衝撃と感動は味わえていないだろう、と思うのが残念。
せーや

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