SORA

風と共に去りぬのSORAのネタバレレビュー・内容・結末

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんか一言でいうのは難しいんだよな。でもなんだろう革新的ヒロイン。
スカーレットはいい意味でも悪い意味でも人間臭い。よくあるフィクションの登場人物のように一言で現せるような人ではない。
私から言わせると、男をはべらかせてさ、世間のルールなんて知ったこっちゃない、他人がどうより私がしたいからする!って言う糞女なんだけど、家族・故郷のためならどんなことだって乗り越えて見せるっていう底抜けの強さや誇り高さがあるいい女だったり。人間臭いんだよ、ほんとにどっかにいそうなんだもんな。
逆にメラニーは聖人のような人で、こんなやつおらんやろーっと思ってしまうよね。でもメラニーがいるからこそスカーレットの魅力が増す。うーん上手いですな。
印象的なのは、スカーレットは嫌々看護婦やったりして、もう嫌だと逃げ出して故郷に帰ろうとするのにアシュレーとの約束を思い出して誰よりも強く立ち回ったり。やっとこさタラに戻るとそこは地獄で、タラの大地の上で神に向かって飢えで泣くのはこれで最後だと宣言するシーン。ここは痺れた、かっこよすぎる。
そういうとこがあるから愛されるんだよ彼女はね。私も、好きだけど。
でも、やってみたはいいけど、みんなに優しくして一人自己犠牲に勤めるわけではなく、使用人や妹、時にはメラニーにまでに当たり散らしたりして、やっぱり完璧じゃない、そんなところがすごくいい。

相手役のレットもすごく人間臭い。でも、あの時代の紳士的な男ですごくかっこいい。今の時代では残念ながらあんな人はいないだろうな。
ただのイケメンではなく、娼婦も抱くし女にだらしがない、独身主義なんて言ってる色男、いろんな人から後ろ指差されて生きることも多いんだけど、ほんとに頼りになるんだよな。スカーレットがここぞと困ったときには必ず出て来ていいとこまで助けてくれる。でも彼も人間臭いからスカーレットとがいつまでもツンケンどんだと拗ねてしまったりね。うーん素敵。

レットとスカーレットの関係ももどかしいけどいいよね。階段から落ちちゃう下りとかすごく切ないわ。これだけの長編だから展開が早くて二人の関係の機微は観客が読み取らなくちゃいけないんだけどあのシーンあたりはすごく切ない。あの階段は二人の岐路には必ず登場する階段ですな。

言いたいことはたくさんあるけど纏まらないな…。あれだけ長い映画だから仕方ない気もするが(笑)



むちゃくちゃ長いけど、飽きさせない。どちらかというともっと頂戴!っと見てる方がなってしまう。
きっとスカーレットの魅力と音楽、セット、衣装等々いろんなものが素晴らしくてそして、壮大だからだろうな。


しかし、私的にはもう少し丁寧に描いてくれたらなーとか思ってしまった。
私の理解力が足りてないからだろうけど。でも、尺の関係とか色々で無理なのはわからんでもないけど、なんか話に纏まりがないと言うか……。見終わった直後は混乱するかもしれないけど、じんわりじんわりいい映画だなっと思うを

でも必ず人生に一度は見た方がいい作品ですね。
SORA

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