ちろる

シンデレラのちろるのレビュー・感想・評価

シンデレラ(1976年製作の映画)
3.8
この時代の豪華絢爛な映画美術だけでも必見のアートなミュージカル。
エドワード王子を演じたリチャード・チェンバレンが衣装を着ると調子良い時のビューティー松野に似ている点以外は、なんの文句もないシンデレラの物語。

ジュリー・アンドリュースがヒロインをしていた頃の、60年代後半くらいのクラシカルなディズニー系実写ミュージカルが個人的に大好きなのですが、こちらもシャーマン兄弟による脚本のためか、その頃のミュージカルを彷彿とさせる雰囲気がとても心地いいです。(これは70年代)

色々な形で映像化されているシンデレラのお話ですが、ここが他のものと違うのがエドワード王子がどうにかして政略結婚から逃れて自分が本当に愛する人と結ばれたいと願う王宮でのやりとりからじっくりと描かれている所。
シンデレラの不遇さだけクローズアップして突然ダンスパーティーで女を選ぶ他の作品よりずっと好感が持てます。
あと一番はなんといってもフェアリーゴッドマザーのキャラのユニークさ。
ちょっと毒舌だし、慌ただしいし、大丈夫か??みたいな魔法使いっぷりもこの作品ならでは。
みんな知ってるはずの「シンデレラ」に気になる部分を独自に肉付けしてくれて、シンデレラとエドワード王子以外のキャラもしっかり描いている。
だから、全く目新しい気持ちで楽しむことができるはずです。
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