desperadoi

ライトスタッフのdesperadoiのレビュー・感想・評価

ライトスタッフ(1983年製作の映画)
4.5
DVD・Blu-rayのジャケットが7人の男の姿を映しているように、あらすじを簡潔に述べればアメリカ初の有人宇宙飛行計画に挑戦した宇宙飛行士たちの群像劇となるだろう。しかしこの作品の核心はここに表れていない1人のテストパイロット、チャック・イェーガーだ。元々の脚本では原作にあったイェーガーのパートは全て削られていたらしいが、それを復活させただけでなく宇宙飛行士たちと対比することで「正しい資質」というテーマを掘り下げたフィリップ・カウフマンの手腕はどれだけ賞賛しても足りないぐらい。直接言葉を交わすことはないにもかかわらず、誰よりもお互いを理解し認め合っているだなんてもう最高でしょ…

久しぶりに観て気付いたのは、男たちだけでなく女たちのキャラクター描写にも力を入れている点だ。妻同士の連帯はもちろんそれぞれの夫との関係も描き分けられていて、全員が厚みのある人物になっている。焼け跡で佇むグレニスの台詞から感じられる悲壮な覚悟には特に胸を打たれた。
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