一人旅

太陽にかける橋/ペーパー・タイガーの一人旅のレビュー・感想・評価

4.0
ケン・アナキン監督作。

『史上最大の作戦』(62)、『バルジ大作戦』(65)のイギリスの名匠:ケン・アナキンが監督を務めた作品で、デヴィッド・ニーヴン&三船敏郎の英日スターが競演を果たしています。

政情不安な東南アジアの某国(主なロケ地はマレーシア)を舞台に、反政府勢力に誘拐され山奥の小屋に監禁されてしまった日本大使の一人息子:コウイチと彼の英国人家庭教師:ブラッドベリーの脱出劇を描いた“脱出サスペンス+師弟愛ドラマ”の佳作で、ブラッドベリーがコウイチに語っていた自身の輝かしい軍歴は総て嘘っぱちで、本当は兵士でもなかった只の凡人であるブラッドベリーがコウイチとの心の触れ合いを通じて真の勇気に目覚めていく様子を、コウイチとブラッドベリーの師弟間の絆の芽生えと共に活写しています。

上映時間90分少々のコンパクトな作品ながら、故障車でのジグザグ山下りやジャングルでの潜伏&逃亡劇、ヘリコプターからの銃撃…といったスリリングなアクションシーンが盛り込まれていて、戦争映画で腕を磨いたケン・アナキンの手腕が発揮されています。

ペテン師の家庭教師を英国の名優:デヴィッド・ニーヴンが好演していますし、彼と共に誘拐された少年の父親である日本大使を三船敏郎が貫禄たっぷりに演じ切っています。

蛇足)
欧米映画に多く見られる“勘違いJAPAN”が比較的少ない点にも好感が持てます(浴衣の三船敏郎が突然日本刀を振り回すのはご愛嬌)。
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