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交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱいのおはうちのレビュー・感想・評価

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劇場公開から15周年なので記念に再鑑賞!

ホランドたちゲッコーステイトの面々の姿かたちは同一なのに中身が全然違うものに変容していた。これは過去作のコピーでしか作品を生産できないシリーズ物の悲哀や、表現者の限界のようなものを表現していると思った。

大部分をTVシリーズの流用でしか長編を作れないでいる状況を逆手に利用して、作り手たちは完全なオリジナルを生産できないでいる惨めな自分を表現しているとも取れた。

TVシリーズと同じ見た目のキャラでも新しく語れるストーリーがあるはずと模索して考察するのが目的に思えた。

それは、劇中登場する神話(成功作たるTVシリーズの事だろう)からさえ逸脱するニルヴァーシュの進化が顕著か?エウレカとレントンの二人乗りでビット兵器を操るTVとは全然違ったビジュアルをもたらしていたのが鮮烈だった。

本作のホランドとタルホの子供には老化スピードが早まる症状が無いことの意味を考える。ふたりは所詮TVシリーズの流用やコピーであるが、そんなふたりでも子供(新しい解釈やストーリーの分岐)を生み出す事が出来る可能性を見せているのだろう。何より、過去作のコピーからでしか新しい作品を生み出せない世代同士が手を取り合って新たに子供(作品)を作るのに意味があるストーリー構築であると思わされた。

全体的に作り手たちには、過去の偉大な作品たちを模倣してアニメを作っている苦労や悲哀に対する自意識が強い。まぁクドイとも思える。

そういえば、冒頭で登場した雪の中で花を咲かせる花と、後半に登場するイマージュのコアから花のように広がるスカブコーラルは対応関係にあるのだろうな。願いを叶えてくれる触媒としての共通点。瀕死のレントンを救って欲しいエウレカの願いを受け止めるイマージュは“雪花”なんだろうな。
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