ゴン吉

ジョンQ 最後の決断のゴン吉のレビュー・感想・評価

ジョンQ 最後の決断(2002年製作の映画)
4.2
アメリカにおける医療保険制度の問題をベースにして親子愛を描いた社会派のクライム作品。 
デンゼル・ワシントン主演、キンバリー・エリス、ダニエル・E・スミス、ロバート・デュヴァル、ジェームズ・ウッズらが共演。

ジョン(デンゼル・ワシントン)は妻デニーズ(キンバリー・エリス)と9歳になる息子マイク(ダニエル・E・スミス)の三人で幸せに暮らしていた。ある日、マイクが野球の試合中に倒れて病院に運び込まれる。
医師の診断では心不全による肺水腫が原因で、心臓移植しか助かる方法はないという。
移植費は25万ドルもかかり、保証金はその30%の7万5000ドル。
しかしジョンが加入している医療保険では保証金すら払えない。
ジョンは銃で医師を脅し、患者を人質にして病院に立て籠り、自分の息子が心臓移植手術を出来るように要求する。
息子の心機能が徐々に低下し、残された時間はあとわずか。
一方、移植に適合する心臓すら無い。
追い詰められた父親が下した最後の決断は?  

アメリカは日本と違い国民皆保険制度はなく、個人で保険に加入しなければならず保障内容もそれぞれ異なる。
高額医療保険に加入している富豪は十分な医療費が保険会社から補填されるが、貧しい人は保険すら加入していない人も少なくない。
この問題に正面から取り組もうとしたのがオバマ元大統領のオバマケア政策で、それを棚上げにしたのがトランプ政権。
本作品はその医療保険制度に正面から焦点を当てた作品。
果たして子供の運命は?
一見クライムアクション作品のようにみえるが、実は国民皆保険制度の重要性を正面から描いた骨太の社会派作品でもある。 
医療保険問題と親子愛を上手く交差させていて素晴らしい。
エンドロールで、ヒラリー・クリントンの医療保険問題に関する演説の映像が流れるのも興味深い。

「バイバイじゃないぞ」
「あとで」  

2024.3 テレ東で鑑賞(午後ロード・吹替:久保喜昭 訳)
2021.6 テレ東で鑑賞(午後ロード・吹替)
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