爆裂BOX

テケテケの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

テケテケ(2009年製作の映画)
3.6
都市伝説「テケテケ」を今や「戦慄回帰ファイル」等のモキュメンタリーホラーで活躍する白石晃士監督が「口裂け女」に続いて映画化したホラーです。主演は元AKB(この当時は在籍中でしたね)の大島優子。
女子高生の大橋可奈のクラスメイトで親友の関口綾花が下半身のない死体で発見され、その現場に花を手向けに行った可奈は下半身のない女の幽霊「テケテケ」を目撃し、追い掛けられる。何とか逃げ切るも、テケテケを目撃した者3日後に殺されてしまうという話を知る。可奈は大学の心理学科に通い、都市伝説について卒業論文を纏めている従姉妹の理絵と共にテケテケの謎に迫るというストーリーです。
子供の頃に「学校の怪談」見た世代としては、テケテケと聞くとピンク色のアイツを思い浮かべてしまいますが、元の話では冬の北海道で踏切で列車にはねられ、上半身と下半身が切断された女性が、余りの寒さで血管が収縮して血が止まり、即死できず数分間もがき苦しんで死に、失った下半身を求める霊となったというもので、話を聞いた人の所に3日以内に現れるというオチがつきます。「ぬ~べ~」ではこれを基にしてトラウマ回になってましたね。
今作に登場するテケテケも上半身だけの女の姿で、両腕でカサカサ高速移動しながら線路を移動していったり、主人公達を追い掛け回す姿を見せてくれます。急ブレーキかけて横向きになった車にぶつかる所ちょっと笑った。半分崩れたような顔も不気味ではあります。殺し方も豪快に上半身吹っ飛ばすスラッシャー的な殺し方です。冒頭のOLが殺される所は切断される所はオフスクリーンで壁にかかる血飛沫倒れる分れた身体で表されて、二人目の主人公の親友も血飛沫と切断された体が映されるだけで直接的な切断されるシーンないのでグロさはそれほどでもないですね。最後にハッキリ切断されるところ出ますが、これも一瞬なのでグロさはそれほど…
前半は主人公可奈と親友綾花、綾花が恋するサッカー少年圭太(可奈が好き)との青春物っぽく進みますが、すぐ綾花が殺されて可奈がテケテケと遭遇してからは、卒論の為に都市伝説調べる従姉妹の理絵と共に助かるためにテケテケの謎に迫っていくという「リング」の劣化版のような展開になります。本当に最後の方の流れは「リング」と同じでしたね。
その調査の中で明らかになっていくテケテケの起源にテケテケと共通点が多い都市伝説の「カシマレイコ」持ってきたのは面白いですね。でも、テケテケが赤色を嫌う理由はちょっと無理ある気がしたな。
大島優子は今よりも幼い感じで演技もそんなに違和感感じる所はなかったな。理絵役のグラドルでもある山崎真美も演技違和感感じる所なかったです。後半、実はテケテケ見ててタイムリミットが迫って余裕なくなって口悪くなっていく所はちょっと笑っちゃった(笑)
二人に協力してくれる気弱そうな大学の教授の助手武田は、教授にはパワハラな言動されるし、主人公達が聞き間違いしてたのに理絵に罵倒されるし、調べてる途中で警備員に取り押さえられるし損な役回りでしたな。それでも必死で手掛かり携帯で伝えてくれて良い人です。
苦労して呪いの元凶見つけて対処したけど、結局全く意味なくバッドエンドというラストの流れも「リング」でしたね。赤色持ってなければ最初から助かってたのか?
話はまんま「リング」でしたが、「テケテケ」というマイナー妖怪題材にして尺も70分と短くテンポよく進んでそれなりに楽しめました。