★1987年に続き、2回目の鑑賞★
ジーン・ケリーは肩幅が広くて腕が長く、小柄ではあるがダンスはとてもダイナミック。
現代のダンサーと比べればそりゃスピードやキレでは負けるのだろうが、優雅さや気品というものが滲み出ていながらも細部にわたって神経が行き渡り、醸し出すオーラが半端なくて、もうマイケル・ジャクソン級。
また、共演のドナルド・オコナーのダンスもケリーに負けず劣らずキレがあるし、コミカルなパートを一手に引き受けていて重要なキャラ。
デビー・レイノルズ(キャリー・フィッシャーの母)もチャーミングで、たった3ヶ月の訓練の成果としてはダンスも巧みで、この主演3人の魅力が本作を名作に押し上げている大きな要因になっていることは間違いない。
ストーリーは王道で変哲はないが魅力的だし、それぞれのミュージカルシーンは必然の中にあってストーリーを邪魔しないだけではなく、時にコミカルに、時に情緒的に完成度高く挿入され、ミュージカル映画の傑作と評されていることも納得。
特に「雨に唄えば」のシーンの素晴らしさは鳥肌もの。
完璧主義者のジーン・ケリーが共同監督だけあって、自作品に極度の完成度の高さを求める点もマイケルに似ているところかもしれない。
ただ唯一、後半に延々と続くダンスシーンが、ドナルド・オコナーは出てこないし、といってジーン・ケリーのダンスは少ないので、冗長な感じでダレてしまうところがマイナス点。