井出

雨に唄えばの井出のネタバレレビュー・内容・結末

雨に唄えば(1952年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかく楽しい。歌って踊って、何もかも楽しく。嫌なこともポジティブに笑い飛ばす。そういう意味では、雨に唄えばという歌は、象徴的だった。
その人の映画は一本見れば分かる、セリフや声が重要だなどという自己批判にどう反論するのか。それはトーキーなどといった技術の進歩であったり、役者や作り手たちに更なる工夫であったりした。カットが切れて目線が移動することをデメリットとせずセットを縦横無尽に駆け巡って最適な視点、視線を設定し、視覚効果を駆使し、舞台より広く柔軟な世界構築する、ということが可能だということを、勢いよく主張し、その批判を笑い飛ばした。舞台を批判するわけではなく、できることを棲みわけようという、ポジティブな平和主義。アメリカ的だと感じるし、このアメリカのシンプルな平和主義は、いい意味でも悪い意味でも影響を与えてきたんだな〜と思う。
でもこの映画に救われてきた人はきっと多いだろう。雨が降っても笑って歌おう、こんな単純で実直なメッセージに。
邦題も素晴らしいわ笑
井出

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