マキノ雅弘監督による「次郎長三国志」シリーズ第六弾。
今までの作品と異なり、お笑い、活劇は一切無く、終始切ない話が続く。
甲州の勘助との戦いを終えた次郎長一家の兇状旅が続く。
そんな苦しい旅の中、次郎長の妻であるお蝶は病気を患う。
行く宛が無い次郎長一家だが、以前、相撲興行の際に世話をした力士の久六の宿に泊まる事になる。
しかし久六は、お尋ね者の次郎長達を捕まえる代官と通じていた…
冒頭でも書いた通り、まさかの展開に驚いたが、とても良い作品。
全九作で考えると、ヤブレになると思われる。
とにかく涙、涙で暗い話な訳だが、次郎長一家の思わぬ姿や彼らの考え方等が深堀りされているから、本作までしっかりと鑑賞してきた人にとっては、十分楽しめる内容だった。
人は追い込まれた時に何を大事にすべきなのかを学んだ。
しかし、次郎長一家の皆は、お蝶を本当にリスペクトしていたのかを知る事が出来た。